投資家が敬遠する「定期借地権付きマンション」とは? 今後の展望や本当にお買い得なのかを解説
定期借地権付きマンションの売買は面倒?
私自身、売り主側と買い主側の両方で定期借地権付きマンションの取引を経験しています。印象としては、書類作成がやや面倒で、定期借地権の内容を詳細に説明する必要があります。 例えば、ある取引では、借地期間や地代の改定条件、期間満了時の取り扱いなどを、通常の取引以上に丁寧に説明しました。買い主の方は、最初は定期借地権について不安を感じていましたが、詳しく説明することで理解を深め、最終的には購入を決断されました。 定期借地権付きマンションを敬遠する買い主も少なくありません。「結局、自分のものにならないんでしょ?」という声をよく聞きます。特に、資産形成を目的とする投資家の方々には、正直あまり人気がありません。 興味深いのは、外国人の購入検討者の反応です。彼らは、所有権にこだわる傾向が強いため、ほとんど興味を示しません。特に中国人投資家は、自国の不動産制度(70年の使用権制度)との類似性から、敬遠する傾向があります。 誤解を恐れずに言うならば、定期借地権付きマンションの購入者は、ほとんどが自己居住用の日本人であることが多いです。そういった生活環境を望まれている方が購入されることもあったりします。
定期借地権付きマンションの今後の展望
定期借地権付きマンションの市場は、今後どうなっていくのでしょうか。まず、都心部での新規マンション供給が難しくなっている現状を考えると、定期借地権付きマンションの需要は増えていく可能性が高いです。特に、一等地での開発案件では、このスキームがより多く採用されるでしょう。 また、最近の傾向として、借地期間の長期化が見られます。50年だった借地期間が70年、場合によっては90年といった具合に延びています。これは、購入者の不安を軽減し、より魅力的な選択肢とするための工夫と言えるでしょう。 借地期間満了時の取り扱いについても、柔軟な対応が増えてきています。例えば、期間満了時に建物の残存価値に応じて補償を行うといった条件を付けるケースもあります。 一方で、懸念点もあります。現在の定期借地権付きマンションの多くは、まだ借地期間の前半にあります。今後、借地期間の終盤に差しかかるマンションが増えてくると、新たな課題が浮上する可能性があります。例えば、大規模修繕の是非や、資産価値の急激な低下などが問題になるかもしれません。