投資家が敬遠する「定期借地権付きマンション」とは? 今後の展望や本当にお買い得なのかを解説
新築の定期借地権付きマンションは今後も増える
さて、そういった定期借地権付きマンションですが、今後も増えていくと考えられます。特に、大企業や法人が所有する都心の一等地で、このタイプのマンションが増えていくでしょう。 例えば、最近では渋谷区の「パークタワー渋谷笹塚」(2028年3月下旬入居予定・定期借地70年)や、文京区の「リビオシティ文京小石川」(2027年3月中旬入居予定 ・定期借地70年)などが話題を集めています。これらのマンションは、かつて企業の社屋や工場があった跡地に建設されています。 企業にとっては、土地を売却せずに長期的な収入を得られるメリットがあります。一方で、デベロッパーや購入者にとっては、通常では手に入れられないような一等地に住むチャンスになるわけです。 この傾向は今後も続くと予想されます。特に、土地不足で都心部での新規マンション供給が難しくなっている現状を考えると、定期借地権付きマンションは重要な選択肢の一つになっていくでしょう。
不動産のプロは定期借地権付きマンションを買う?
まさに一長一短がある定期借地権付きマンションですが、私なら購入するでしょうか。正直なところ、条件次第です。立地が良く、価格も魅力的であれば、十分に検討の余地があると思います。ただし、購入する際には以下の点を特に注意深く見ます。 残存期間 まず、残存期間です。少なくとも40年以上の残存期間があることが望ましいでしょう。35年を切るとかなりリスクが高くなります。これは、将来の売却(リセール)や資産価値の維持を考えてのことです。 立地 次に、立地です。将来的な価値の維持や上昇が期待できる場所かどうかを見極めます。例えば、再開発計画がある地域や、交通アクセスの改善が見込まれる場所であれば購入する価値があります。 管理体制 管理体制も重要なポイントです。大規模マンションならではの充実した管理体制があるかどうか。これは、長期的な資産価値の維持に直結する問題です。 価格 そして、何より価格です。通常の所有権マンションと比べて本当にお得な価格設定になっているかを慎重に検討します。単に安いだけでなく、将来的な価値も含めて総合的に判断する必要があります。