投資家が敬遠する「定期借地権付きマンション」とは? 今後の展望や本当にお買い得なのかを解説
定期借地権付きマンションのデメリット
次に、定期借地権付きマンションのデメリットについてご説明します。 期限付きの所有権である 最大のデメリットは、期限付きの所有権であることです。借地期間が終了すると、原則として建物を取り壊して土地を返還する必要があります。つまり、「子や孫に残せる」という不動産の大きな魅力の一つが失われてしまいます。 資産価値の低下 次に、資産価値の低下が挙げられます。借地期間の残りが少なくなるにつれて、資産価値が急激に低下する可能性があります。特に、残存期間が35年を切るあたりから、その傾向が顕著になるといわれています。 住宅ローンの制限 住宅ローンの制限も重要なポイントです。借地期間によっては、長期の住宅ローンが組みづらい場合があります。例えば、残存期間が40年のマンションに35年ローンを組むのは難しいかもしれません。 将来の不確実性 将来の不確実性も考慮する必要があります。定期借地が満期を迎えたマンションというのは、まだありません。つまり、定期借地権が終了して更地になったといった事例がないのです。 借地期間終了後どうなるのか。現在のコンクリート造りのマンションならメンテナンス次第で建物は100年以上持つかもしれず、借地期間を延長できるかもしれませんし、本当に更地にして返還するのかもしれません。これらの点については、契約内容をよく確認する必要がありますし、将来の法改正などによって状況が変わる可能性もあります。
都内で人気の定期借地権付きマンション
では、具体的に都内でどんなマンションが人気なのでしょうか。いくつか例を挙げてみましょう。 シティタワー品川 まず、「シティタワー品川」(2008年竣工・定期借地72年)です。このマンションは、2010年頃に3,200万~3,500万円で分譲されましたが、現在は8,000万円程度で取引されています。わずか15年ほどで2倍以上、価値が上昇しています。 この価格上昇の理由は、立地の良さはもちろん、大規模タワーマンションならではの充実した設備にあります。また、開発が著しい品川という地域の将来性も評価されています。 パークホームズ南麻布ザレジデンス 「パークホームズ南麻布ザレジデンス」(2013年竣工・定期借地50年)も人気です。港区の高級住宅街に立地し、常に人気を集めているマンションです。麻布十番や六本木へのアクセスの良さ、閑静な住宅街という環境が評価されています。 ブリリアシティ西早稲田 「ブリリアシティ西早稲田」(2022年竣工・定期借地72年)も注目の物件です。文教地区に立地し、若い世代にも人気があります。早稲田大学に近いという立地が学生や若い家族に支持されています。 これらのマンションに共通するのは、立地の良さはもちろん、大規模マンションならではの充実した共用施設や管理体制、そして何より通常の所有権マンションと比べて割安な価格です。