ピンク・レディー 増田惠子、意外なクルマとの付き合い方とは? 亡き夫と見つけた希少国産車と対面へ
愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第57回。後編では、歌手・俳優の増田惠子さんが、免許取得のエピソードやドライブ、そして気になるクルマなどについて話す。 【写真を見る】増田惠子と超希少な日本車、夢の共演(13枚)
たった4回のドライブ
前編では、日産「プレジデント」の後席で過ごしたピンク・レディー時代の思い出を振り返った。 後編では、運転免許取得以降の4回だけのドライブと、今、気になるクルマについて話す。 まずは、運転免許を取得した経緯を増田さんが明かす。 「確か30歳を少し過ぎた頃だったと思うんですけれど、映画を撮るお話があったんですね。でも、その撮影が流れてしまって、1ヵ月か2ヵ月、時間ができたんです。本当はスキューバダイビングをやりたかったんですけれど、たまたまそれが寒い時期で、私は静岡出身で寒さに弱いんです。ダイビングはもう少し温かな季節にやろうと思って、それで教習所に通うことにしました」 ただし、運転免許の取得についてはハードルがあったという。 「父が交通事故で亡くなっているので、母は『都会で私が運転するなんて絶対に駄目だ』と、言っていました。親に内緒で取ろうと思っていたら、本籍地が記入された書類が必要とかでバレちゃって……母には仕事で必要だからと言ってなんとか許してもらいました。でも教習所では、シミュレーターの適正検査で、全然運転に向いていないという結果が出ました。私はすごくせっかちで負けず嫌いなもので、それが出ちゃったんですね(笑)」 そして増田さんは、「いま思い出すと、いい生徒ではなかったですね」と、苦笑いしながら、教習所に通っていた頃のエピソードを披露してくれた。 「『これはどうするんだ? どうするんだ?』と、すごく急かされて、ドキドキさせる意地悪な教官がいて……この人は嫌だなぁ、と、思っていたんです。ある日、その教官の講習時に指示を無視して自分のマンションの前まで運転して『ここで失礼します』と、降りてしまったことがあります。今、思うとひどい生徒ですよね。後で、別の優しい教官の方に『ケイちゃん、ここでは無理するような運転は教えていなくて、幸いにも免許は取れたけれど、本当に気を付けてね』と、言われました」 晴れて運転免許を取得した増田さんは、3回のドライブを楽しんだ。そして迎えた、4回目のドライブ……。 「雨の夜でした。友だちを乗せておしゃべりをしながら、ベルコモンズがあった青山3丁目の交差点に差し掛かったところで『ケイ、赤信号だよ! 止まって!!』 と、言われたんです。友だちのおかげで信号無視をしないで済んだけれど、私は熱中すると他が見えなくなるところがあるな、これは事故を起こしてしまうかもしれない、と、痛感しました。それ以来、映画やドラマでハンドルを握るシーンは何度かありましたが、プライベートでは一切運転はしていません。もともと仕事のために取った免許なので未練はなくて、もう一度運転したいとは思いませんね」