【大相撲大賞】隆の勝は金星2個 王鵬は平幕で三役以上の勝率トップ、熱海富士は“銀星”7個
<第13回日刊スポーツ大相撲大賞(4)> 大相撲大賞第4回は平幕にスポットを当てた。随所で目立った数字を残したのが隆の勝(30=常盤山)、王鵬(24=大嶽)、熱海富士(22=伊勢ケ浜)。3人とも今年6場所は全て平幕だったが、そろって東前頭筆頭を経験した番付が示す通り、実力は役力士と遜色なかった。隆の勝は名古屋場所で横綱照ノ富士と、初の優勝決定戦を経験。初優勝は逃したが、金星2個は単独トップ。大関以上との対戦成績が5勝5敗、勝率5割も平幕トップだった。 【写真】24年「上位キラー賞」1位は大関以上に勝率5割! 王鵬も大関以上と6勝7敗、勝率4割6分2厘は平幕2位と互角だった。三役以上に相手を広げれば、14勝15敗の勝率4割8分3厘は平幕トップ。何よりも結びの一番で5勝1敗、勝率8割3分3厘は、平幕とは思えない驚異的な数字だった。2位が大関昇進前の大の里の6割2分5厘(5勝3敗)だけに、その差は歴然。大舞台の強さは大横綱の祖父大鵬譲りだ。春場所では初の金星も獲得した。 照ノ富士と同部屋で、金星のチャンスがない熱海富士は、平幕による大関撃破の“銀星”が7個と最多だった。年間を通じて新三役目前の前頭3枚目までで番付が推移し、三役以上とは平幕最多の計42番、1場所平均7番も取った。来年1月の初場所(東京・両国国技館)は、琴桜、豊昇龍の両大関の綱とりが注目されるが、命運を握るのは、上位戦に強いこの3人なのかもしれない。【高田文太】