ヤクルトが19歳“未来主砲”村上を守備優先で先発外しも失策止めれず泥沼10連敗。小川監督は数十秒で会見打ち切り…
ヤクルトが25日、神宮球場で行われた中日戦に3-10で完敗、泥沼の10連敗となった。96敗して最下位に沈んだ2017年7月以来、2年ぶりの10連敗で、中日と入れ替わりで5位に転落、5月12日の時点であった貯金「5」は、借金「5」に変わった。守備に不安のある村上をスタメンから外したが、代わりに三塁で出場した大引もエラーする始末。2つの失策が失点につながり8試合連続で先取点を失った。攻撃もチグハグで3本のソロアーチだけ。小川監督は「いつも同じことばかり言っているか……」と数十秒で会見を打ち切った。ツキにも見放された試合で、一つのきっかけがあれば抜け出しそうな雰囲気もあるが、そのチャンスを逃すと負けが重なっていくのが野球の怖さ。ヤクルトが序盤戦の正念場を迎えている。
チーム内打点王の19歳村上を先発外し
スタメンから打点部門でリーグ3位(34)につけている19歳・村上の名前が消えた。「6番・三塁」で起用されたのは大引だった。村上は、前日の中日戦でイージーな三塁ゴロを一塁へ送球する際、上へ下へととんでもないスローイングエラーを重ねた。しかも、この日の先発左腕、石川は、巧みな技術で打たせて取りリズムを構築するタイプ。小川監督は4月24日の巨人戦以来、今季2度目となる“村上外し”の理由を「総合的な判断」としたが、泥沼を脱出するため守備の不安と村上の打力を差し引きして守りを優先した。同時に村上自身がまたミスを繰り返して“深刻な守備スランプ”に陥ることも危惧したのかもしれない。 だが、優先したはずの守備の綻びから試合が始まった。先頭、阿部の三遊間を襲ったゴロを逆シングルでさばこうとした太田がそのボールをグラブのポケットに収めることができずにいきなりのエラー。二死二塁からビシエドに2試合連続のタイムリーを一、二塁間に打たれることになる。セカンドベース寄りを締めていたため、空いたスペースを抜かれるという目に見えないポジションミスも。これで8試合連続の先制失点。連敗理由のひとつを潰すことができなかった。 2点を追う7回にも再度皮肉なエラーが。無死一、二塁でビシエドを三塁への高いバウンドのゴロに打ち取ったが、併殺を焦る大引は先に送球方向に目が行きボールを“お手玉”。慌てて拾いあげて一塁へ送ったが間に合わずにオールセーフにしてしまったのである。そして続く高橋にタイムリーを許す。3点差に広がり守りが足を引っ張った。 10連敗中に記録した失策数は「18」。いつのまにやら広島のそれを抜きチーム失策数「43」は、12球団でワーストである。 攻撃もチグハグだった。一回裏にすぐさま青木の目の覚めるような特大7号ソロで追いつき、3番に入った山田がセンター前で続き、バレンティンに投じられた初球に二盗を決めたが、空振りで援護したバレンティンのフォロースルーのバットが中日の捕手、大野の腰を直撃。これを守備妨害と判断された。一塁へ戻され山田は、再度、今度はディレードスチールを成功させて、その主砲の珍しいミスを帳消しにするが、バレンティンは、中途半端な三振。3回にも無死一塁から青木が“2打席連続か”という大ファウルを続けながらも結果は併殺打。走者がいなくなってから山田に一発が出るというチグハグな攻撃に。 “ツキ”にも見放された。その象徴シーンは1点を追う5回。一死満塁と中日の先発、柳を追い詰めたが、山田の三塁の右を襲う強烈なライナーを高橋のファインプレーで阻まれ、飛び出していた二塁走者の太田もベースに戻れず併殺で絶好の逆転機を逃す。与田監督が「ヤクルトにはセーフティリードなどない」と警戒していた打線は、すべてソロアーチで3得点。“タイムリー欠乏症”を解消できないままだった。