住宅ローンは思ったより多く借りられるけど…「自分の収入で買える家」を見極める3つのステップ
住宅ローンに含められない諸費用。貯金はやっぱり必要!
荒木「ステップ2で考えるのは諸費用。家を買うときには、実際にかかってくる住居費用のほかに、さまざまな初期費用がかかってきます。例えば、税金や手数料、引越し費用もかかります。転居するにあたって、家具や家電の買い替えをすることもありますよね。 購入時にかかる諸費用の目安としては、新築物件の場合は物件価格の3~7%、中古物件の場合は6~10%といわれています。4000万円の物件であれば、新築で120~280万円。中古であれば240万円~400万円」 どうして、中古物件の方が高くかかるのでしょうか? 荒木「中古物件の場合は、新築物件では必要ない仲介手数料(一般的に物件価格の3%+6万円)がかかります。ここで注意したいのが、これらの諸経費は住宅ローンとして借りることができないということ。手持ちのお金で賄わなければいけないので、やはりいくらかの貯金は必要になります」 貯金といえば、頭金もないよりあった方がいいですよね。 荒木「頭金がなくても住宅ローンは組めますが、頭金を準備するメリットとしては、頭金が多いほどローンの借入れ額を減らすことができます。当たり前ですが、借入額が少なければ毎月の返済額が減り、最終的に支払う利息も減るということです。銀行によっては物件価格の90%を超える借り入れは、審査が厳しくなるケースもありますので、やはり頭金があると安心です。 頭金の目安としては、物件価格の20%。4000万円の中古物件であれば800万円で、先ほどの諸経費400万円と合わせると1200万円ですから、なかなか大きな額になりますね」 では、頭金のあるなしでどれくらい違うのか、荒木先生が計算してくれました。
荒木「ここでは3000万円の家を購入し、定額金利2%で、30年返済と仮定します。頭金なしで3000万円借り入れた場合、毎月の返済額は10万8500円で総支払額は3906万円。一方、物件価格の20%の600万円を頭金に入れた場合は、借入額が2400万円となり、毎月の返済額は8万8708円で総支払額は3193万円となります。利息だけでみてみると、頭金なしの場合は906万円、頭金600万円の場合は793万円となり、100万円くらい削減できることになります。 今は金利が低いですから、貯金を手元に残しておくこともひとつの考えではありますし、希望の物件との出会いも縁だと思うので、逃さないためには頭金なしでも購入できるのはメリットでもあります。どちらもメリット、デメリットを考えて選択できればいいと思います」