“DV・性暴力”被害者の約6割が「どこにも相談していない」と回答…内閣府 男女共同参画局が設置する“専門相談窓口”を紹介
◆“DVと性暴力の違い”を解説
DVには、配偶者や交際相手などからの性暴力を含め、さまざまな形の暴力が含まれます。一方、性暴力は、相手が顔見知りのときもあれば、まったく知らない人のときもあります。つまり、どのような間柄であれ“同意のない性的な行為”をおこなうことは性暴力です。 <同意のない性的な行為の例> ・望まないキスや性行為をされた ・着替えやトイレ、入浴を覗かれた ・痴漢に遭った ・下着姿や裸の写真・動画を勝手に撮られた よくある性暴力に対する思い込みとして“若い女性だけが被害に遭う”が挙げられますが、 実際には男性や子ども、高齢者も被害に遭っています。また、被害に遭う状況を“夜遅く知らない人に突然襲われる”と思い込んでいる人もいますが、性暴力被害は時間・場所を問わず発生しています。さらに、加害者の約8割は顔見知りで、恋人間で起こることもあれば、職場やアルバイト先、学校、さらには家庭で発生する可能性があります。 身近でも起こりうるDVや性暴力ですが、その一方で、被害に遭ったことを誰にも相談していない人が多い現状があります。田中さんは「同意なく性交などをされた人の6割近くが『どこにも相談していない』という調査結果もあります。その理由として『恥ずかしくて誰にも言えなかった』『相談しても無駄だと思った』『自分さえ我慢すればなんとかなると思った』などが挙げられます」と言及。 また、被害者のなかには「自分にも悪いところがあると思った」と思い込んでしまう方もいますが、もちろん悪いのは加害者で、被害者に落ち度はまったくありません。「被害に遭った方の約3割は友達や知り合い、約1割は家族や親戚に相談しています。誰もが知り合いや家族から相談を受けることがあるかもしれません」と話します。
◆DV・性暴力の相談窓口を紹介
実際に、もし身近な人から「被害に遭った」と打ち明けられた場合、私たちはどのように対応すべきでしょうか。 話しにくいことを話してくれたということは、相手からの信用の表れでもあります。まずは「話してくれてありがとう」「あなたは何も悪くない」と伝えましょう。また、決して話を疑ったり、否定したりしてはいけません。田中さんは「『そんな服を着ていたからだ』などと被害者を責めたり、『たいしたことない』と被害を軽いものにしてしまえば、被害者をさらに傷つけることになってしまいます」と注意喚起します。 また、一方的に助言をおこなったり、無理に励ましたりしないことも大切です。必要に応じて、専門の相談窓口があることを伝えてください。DVの相談は「#8008(はれれば)」、性暴力の相談は「#8891(はやくワンストップ)」に連絡すると、最寄りの相談窓口につながり、プライバシーもしっかり守られます。内閣府のWebサイト「女性に対する暴力をなくす運動」では、それぞれの相談窓口にすぐにアクセスでき、電話のほかチャットでの相談も可能です。 DVや性暴力は個人の尊厳を踏みにじる重大な人権侵害であって、決して許されない行為です。最後に田中さんは「もし、あなたが被害を受けて悩んでいるとすれば、その悩みを受け止めてくれる人はきっといます、身近な人や専門の窓口に話してみてください。また、被害を打ち明けられた方は、疑ったり否定したりせず『これからのことを一緒に考えていこう』という思いで話を聞き、相談窓口のことを教えてください」と呼びかけました。 番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ“DV・性暴力”について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。 村上は“あなたは悪くない 相談できる所があります”という点を挙げ、「(DV・性暴力に悩む方がいたら)『相談できるところがあります』と伝えたいです」と話します。杉浦は、注目した点として“DVの相談は「#8008」性暴力の相談は「#8891」”と相談窓口の電話番号をスケッチブックに書き、「DV・性暴力の情報や相談窓口の一覧は、内閣府 男女共同参画局の女性に対する暴力をなくす運動のページで確認できます」と呼びかけました。 (TOKYO FM「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」11月17日(日)放送より)