【50代女子・茨城旅】海の絶景をお部屋から! 岡倉天心、横山大観が愛した、5つの顔をもつ海・五浦海岸へ
美の巨人が選んだ地、五浦~茨城県天心記念五浦美術館
「天心は東京美術学校を辞した後、ボストン美術館の中国・日本美術部に迎えられます。そこで美術品を整理するため、日本とボストンを往復するように。ちなみに私、ボストン美術館に15年ほど前に行き、浮世絵はじめ日本美術の充実っぷりに感動したのです。そうか……あれはこの人が、とここでつながりました」
茨城県天心記念五浦美術館、ガイドツアーがすばらしかった!
「また彼は、彼を慕う芸術家たちと日本美術院も創設します。その絵画分野の拠点を五浦に置くと、横山大観、菱田春草らも五浦に移住してきたのです。かくして、ここ五浦が近代日本美術の一つの拠点に。 美の巨人たちが、作品を生み出しながら過ごした場所、それが五浦。『茨城にねえ、知らなかった。確かに日本画心が刺激されそうな絶景だ』と、相方」
「この美術館、建物もとてもいいのです。華美さはなく質実で、堅牢さとほっとする感じが不思議に同居している。 館内の光の入り方も独特でおもしろい。遠くから海とともに見えるこの建物の全貌も景観をより美しくしているよう。 設計は内藤廣氏。とらや!とすぐに思い至ったのは私だけでしょうか。とらやさんは、京都店も赤坂店も内藤さんによるもの。ほかにも京都鳩居堂、新しい銀座線渋谷駅、島根県芸術文化センターなど、内藤建築は過去に訪ねて印象深かった建物ばかりです」
横山大観の家に泊まれるんですってよ
「今夜の宿は、この美術館から海沿いを歩いて10分ほどの『五浦観光ホテル』。五浦の絶景を見渡せる温泉宿です。 こちらで、天心を慕い五浦へやってきた日本画の巨匠、横山大観の自邸を今も大切に保存していると耳にしました。 え、見たい…とつぶやいてみたら、なんと見せていただけることに。しかも、その横山大観邸、泊まれるのだそうです」
「ああ、ただただ感嘆。大観邸は海を臨む素晴らしい日本建築でした。しかも、家の両側が海。一方には静かな入り江、一方には松林そして外洋、かなたに朝陽がのぼる水平線、太平洋が横たわります。端正な障子をあけると海。ああ、もう一度ため息。 『朝陽の美しさには命を洗われるようです』と案内してくださった女将。『家具や調度品も大観が使ったものを、手入れしてそのまま使わせていただいています』とのこと。もしかしたら大観もここで? と思いつつ、ラタンの長椅子でゆったり、まったり海を見ていられます。夢か?(宿泊が気になる方はお問い合わせを)」