「成人式」「県外との往来」が引き金? コロナ感染拡大で“宣言”追加要請の沖縄
プロ野球キャンプで選手が感染したら?
目下、沖縄県内の医療関係者を中心に懸念されているのが、2月1日からスタートするプロ野球キャンプだ。9球団が沖縄入りする予定だが、感染拡大中で県が独自の緊急事態宣言を出していることも踏まえ、無観客での実施が決まった。 とはいえ、万が一球団関係者に陽性者が出た場合の受け入れ体制を巡っては、前例がないだけに十分シミュレーションされているわけではないのが実情だ。「ただでさえ地元の患者でベッドがいっぱいな状況で、年末年始の感染拡大で入院調整中の人も少なくない。チーム内で感染が相次いだ場合、プロ野球選手だからといって、県民を差し置いて優先的にベッドを振り分けることができるのか」。医療現場でコロナ患者の診療に当たるある医師は戦々恐々と身構える。 冬場のプロ野球キャンプは、夏に比べ低迷する観光需要を補う一大イベントとして定着している。今年は宿泊客のキャンセルも相次いでいるが、少しでもその経済効果を取り込もうとする県内の観光事業者は少なくない。 沖縄県の26日の発表によると、2020年の入域観光客数は373万6600人で、前年比で642万7300人(63.2%)の減少となり、減少数、減少率ともに過去最悪。県としては初めて念願の1000万人を超えた19年を大きく下回る状況となった。経済振興と感染防止対策の両立をどう図るか、そのはざまで、政府や沖縄県の対策が問われそうだ。