【政治解説】総裁選 自民党支持層では小泉氏が1位 一方、“スガジロウ”と揶揄する声も… 2024年8月 最新世論調査解説
自民党総裁選(9月12日告示、同27日投開票)の立候補に向けた動きが活発化しています。NNNと読売新聞が行った最新の世論調査では、総裁選の投票権を持つ自民党員に近い「自民党支持層」の支持率で、小泉元環境相が石破元幹事長を抜き1位となりました。しかし、党内からは、進次郎氏を“スガジロウ”と揶揄する声も…。日本テレビ政治部の竹内デスクと菅原解説委員の同期コンビが徹底解説します。
自民党支持層で石破氏を抜いた小泉氏
【竹内】 今回、8月の調査は、岸田首相が不出馬を表明してから初めての世論調査です。「次の自民党総裁には誰がふさわしいか」と聞いたところ、全体の結果では、1位が石破元幹事長、2位は小泉進次郎元環境相、3位が高市経済安保相、4位は河野デジタル相という結果でした。 【菅原】 「自民党支持層」に限ってみると、どうですか? 【竹内】 1位は石破氏と入れ替わって、小泉氏でした。小泉氏の支持率は22%、2位の石破氏は20%でした。3位は高市氏で変わりませんでしたが、支持率は全体で10%だったのに対して、自民党支持層に限ると4ポイント上げて14%でした。 【菅原】 やはり、石破氏と小泉氏は強いですね。 【竹内】 そうですね、ある自民党の重鎮は「(立候補者が)乱立して議員票が分散するので、このままだと1位と2位は石破さんか小泉さんだと思う」と話していました。
小泉氏が「“ぶっちぎる”のではないか」 高まる党内の期待
【菅原】 この調査は定期的にやっていますが、トレンドというか伸び率は、小泉氏に勢いがありますね。 【竹内】 前の月と比べると、石破氏は少し勢いが衰えた感じですが、小泉氏は伸びています。自民党の小泉氏を支援する議員は、「出馬表明もしていないのに上位に入るなんて期待感がすごい」と言っていました。さらに、「これで出馬表明をしたら“ぶっちぎり”じゃないか」と。ベテラン議員の中にも、まだ手も挙げてないのに1位というのは、手を挙げたら“ぶっちぎる”んじゃないか」と言っています。
小泉進次郎氏と父・純一郎元首相の“違い”
【菅原】 小泉進次郎氏の父の純一郎氏が総裁選で初勝利したときにも、途中からすごく勢いが増して、まさに“ぶっちぎり”でしたけれど、進次郎氏もそうなったとしたら、親子を重ね合わせて見る人も多そうです。ただ、このふたりには、決定的な違いもあるように思います。 【竹内】 そうですね。やはり父の純一郎氏は厚生相や郵政相といった閣僚経験がありましたし、初選出当時、総裁選も3度目の挑戦でした。“経験値”は大きく違います。実際、進次郎氏には“経験不足”であると懸念を示す声も多いです。ある自民党の幹部は「外交は明らかに弱点」と話しています。また、小泉氏を応援しようとしている閣僚経験者も、「彼は経験がない。論戦でボロが出るとメッキがはがれる可能性がある」と指摘しています。