【政治解説】総裁選 自民党支持層では小泉氏が1位 一方、“スガジロウ”と揶揄する声も… 2024年8月 最新世論調査解説
【菅原】 過去には、安倍元首相が初めて首相になった時にも、当時、野党民主党の代表だった小沢氏と比較され、経験不足が指摘されたということがありましたね。 【竹内】 その再来を恐れる声が、今の自民党にあります。政府関係者のひとりは「立憲の代表が野田さんになったら、自民党にとっては手強いだろう」と話していました。 【菅原】 衆議院の総選挙が近くあると言われていますが、来年の夏には参院選もあります。その手前にはがっちりと論戦をすることになる通常国会もあります。衆院選は何とかなっても、“参院選までの論戦の場で比べられながら戦えるのか”ということも考えないといけないのかもしれません。
自民党支持率は10か月ぶりに30%台に回復
【菅原】 一方で、政党で見ると、今回“ポスト岸田レース”が早めに始まったこともあって、自民党の支持率が盛り返してきましたね。 【竹内】 今回、自民党の支持率は10か月ぶりに30%台に回復しました。“政治とカネ”の問題もあって、自民党の支持率は2023年の11月に28%になって以降、2024年の3月には23%まで落ち込みました。ところが今月は30%と、久しぶりに30%台を回復しました。岸田首相に近い自民党の若手議員は、私はすごく正直なコメントだと思ったのですが、「裏金の時は何をやっても回復しなかったのに、こういうものか」と驚いていました。現職の閣僚のひとりも「自民党に勢いが出てきた」と言っていましたし、中堅議員も「党勢はじりじり回復している」と話していました。 【菅原】 そうなると、「総裁選後にすぐに解散・総選挙」という流れかもしれないですね。 【竹内】 そう見る人は多いです。自民党の中には浮かれ気味の人もいて、「もうこれで衆院選は楽勝じゃないか」なんて言う若手議員もいます。 【菅原】 それはいくらなんでも楽観的なのでは…。それこそ総裁選中に何か大きな失言でもあれば、変わってきますよね。 【竹内】 いや、本当にそうですね。そんなに簡単に行くわけがありません。とは言え、首相に近い議員も、「自民党の支持がこれだけ上がっているのを見ると、裏金問題で絶望的だと思っていたけれども、もしかしたら勝てるんじゃないかと思い始めている」と言っています。今まで、何をやってもうまくいかない苦しい状況が続いてきたことを思えば、少しですけれど希望が持てるようになってきたということでしょうか。