【政治解説】総裁選 自民党支持層では小泉氏が1位 一方、“スガジロウ”と揶揄する声も… 2024年8月 最新世論調査解説
菅前首相に支えられる小泉氏 “スガジロウ”と揶揄(やゆ)する声も
【菅原】 その経験不足をどのようにカバーしていくかということが課題になりますが、やはりベテラン議員に力を借りるということでしょうか。 【竹内】 はい。そう考える人は自民党にも多いです。なかでも、一番の“後見人”と言われているのが菅前首相です。今回、菅氏は自ら議員に電話をかけて、小泉氏への支援を頼んだりもしています。そのようなことから、小泉氏が政権を取った場合、“後見人的な立場”になることは間違いないと見られています。ただ、これは善し悪しがあるとも言われます。
【竹内】 菅原さん、中曽根元首相が初めて内閣を作った時に、〇〇内閣と揶揄(やゆ)されたのを覚えていますか? 【菅原】 「タナカソネ」内閣ですか。 【竹内】 そうです。中曽根氏が最初に首相になった時は、田中角栄元首相が自民党でとても力を持っていたため、当時の中曽根首相は田中氏の力を借りて政権運営をせざるを得ませんでした。官房長官も幹事長も、主要なポストはかなり田中派に譲っていました。そのため「タナカソネ」内閣と呼ばれたんです。実は、今の小泉氏に対しても、ある閣僚経験のある自民党議員は、菅氏の影がちらつくことを揶揄して「進次郎じゃなくて“スガジロウ”だな」と言っていました。 【菅原】 小泉氏は刷新感が強みであるのに、バックに大物議員がいるために“傀儡”のように見られてしまうと損ですね。 【竹内】 そうですね。自民党の若手議員も「あまり“長老”、大物議員がちらつくとマイナスになってしまうのでは」と、小泉氏の心配をしていました。
小泉氏に対する不安 次期立憲民主党の代表との比較
【竹内】 もう一つ、小泉氏について心配されていることがあります。それは「次の立憲民主党の代表には誰がふさわしいか」という調査結果に関わることです。1位は25%で野田元首相でした。 【菅原】 やはり、どうしても比較されるということですね。
【竹内】 そうです。野田氏はそれこそ首相としての経験もありますから、対比されると小泉氏の経験不足が目立ってしまうのではないかとみられています。自民党の関係者は「国会論戦の相手が野田さんとなると、小泉さんより野田さんと渡り合える人がいいとなる可能性がある」と言っていました。ベテランの議員の中にも、「野田さんと対峙することを考えたら、小泉さんよりも石破さんの方がいいんじゃないか」と指摘していました。