50代は「その方法があったか!」を口癖に 日常の業務ですぐ取り組めて、組織変革を促す5つのアクション【30~50代の年代別】
取引先から一方的な価格交渉をされた場合に、「それでは原価割れして当社が赤字になり、貴社に対するメンバーのモチベーションもパフォーマンスも下がってしまう」とできない理由を提示する。 そうやって自分の事情を示しながら、目的を達成するのに必要な条件を示すのが「正しい交渉」だと沢渡さん。 沢渡「言われたことをそのまま実行するのが仕事ではありません。下請けマインドは早めに捨てて、自分で考えて交渉し、折り合いをつけていく癖をつけましょう」
30代、40代、50代がそれぞれ意識したいアクション
終身雇用を前提とした社会に身を置いた期間が長い30~50代にとって、組織変革と同時に必要なのが自身の意識変革。 まず30代に対し、沢渡さんは「『交渉してみる』から始めてほしい」とアドバイスを送ります。
沢渡「30代は板挟みの立場になりやすく、さらに責任も増して、いろいろな仕事を任される時期です。 さまざまなメンバーと縦、横、斜めに対話をしながら、『部長の意見はわかるけど、現場はこういう状況だからここは譲ってほしい』など、交渉の習慣を身に付けましょう」 30代で交渉する経験を積まないまま年を重ねてしまうと、「思考できない人材になりかねない」と沢渡さんは警鐘を鳴らします。40代以降の命運を分ける意味でも、30代で意識的に交渉をすることが重要です。 その上で、40代は「相手の気持ちを下げない言葉を使う」「気遣いやサポートにも感謝する」をより意識してほしいと続けます。 沢渡「自分を振り返っても、30代の頃は自分の専門性を発揮したい気持ちが強く、とにかくキャリアアップしたい意欲が強い時期だったと思います。 そこから40代に入ると、今度はチーム全体のコンディションに目を向け、組織としてどう成長していくかを考える必要が生じる。いわば共創を引っ張っていく立場ですね」 そのときに重要なのが、さまざまな人と気持ち良く仕事ができる力です。 沢渡「組織の環境をより良くすることで、関わる人が快適に共創できるようにする。いわばチームのファンを増やす行動を取る方向にシフトしていくと、仕事の幅も、組織の力も大きくなっていくと思います」