50代は「その方法があったか!」を口癖に 日常の業務ですぐ取り組めて、組織変革を促す5つのアクション【30~50代の年代別】
感謝を伝えることは名もなき仕事に光を当てるだけでなく、同時に「自分が働きやすい環境に近づけることにもつながる」と続けます。 沢渡「最近は出社回帰の流れがありますが、もしリモートワークを続けたいのであれば、環境を整えている人事や情報システム部、管理職や経営陣に対し、『リモートワークができるからこそパフォーマンスが発揮できている』と日頃から感謝を伝えましょう。ポジティブなフィードバックがなければ、周りに必要性は伝わりませんから」
生成AIをはじめとしたテクノロジーの劇的な進化を目の当たりにする中、従来のやり方が通用しなくなりそうだと予感している人は多いはず。 とはいえ、慣れ親しんだやり方を変えるのは腰が重く、面倒に感じてしまったり、過去のやり方に固執してしまったりすることもあります。 そんなムードを変える最初の一歩が、「その方法があったか!」の一言です。 沢渡「誰かが新しい方法や着眼点を提示したら、いきなり良し悪しを評価するのではなく、まずは今までにない切り口を示したことを肯定しましょう。そうやって『新しい着眼点を持つのは良いことである』という雰囲気をつくるのが大事です」
ポイントは、「その方法があったか!」はあくまで新たな提案が投げ込まれた状態に対する言葉であり、良し悪しを判断する言葉ではないということ。 反射的に拒否反応が出そうになるのをグッとこらえて、新しいアイデアが出ること自体をポジティブに受け止めることが、いきいきした職場づくりにつながります。 沢渡「私自身も『その方法があったか!』が口癖の部長のチームで働いたことがあるのですが、最もエンゲージメントが高く、パフォーマンスも発揮できていたと思います。 新しいアプローチや考え方に関心を持ち、小さく試せる組織風土をつくることが、組織と個人の双方にとって健全なのではないでしょうか」
優秀な人ほど、「こんなこともできないのか」とできない人を下に見てしまったり、チームメンバーや後輩を「まだまだだな」と未熟者扱いしてしまったりしやすいもの。 「売れている人が偉い」「技術力の高さこそ正義」といった発想にもなりやすいですが、それでは組織全体のパフォーマンスを下げかねません。 沢渡「個人のスキルには当然ばらつきがありますし、そもそも得意分野が違うからチームで仕事をする意味があるのに、相手の気持ちを下げてもチームのコンディションが悪化するだけです。質問や相談もしづらく、メンバーのメンタルヘルスにも悪影響です」