高額な住宅ローンで返済不能者が続出中…資産価値よりローン残高が大きい場合に自己破産を避け家に住む方法
住まいやお金など家族を守るための完璧な防御法はあるか。仕事や職場の揉め事に遭遇したときの対処法とは。よもやのトラブルから身を守るために法律の知恵を味方につけよう。 【図表】返済不能でも住み続ける方法 ■ローンを払っている金融機関に相談するのがベスト 住宅ローンが払えなくなったら、どうなるでしょう。まず督促状が来て、払えなければその居宅は強制競売にかけられ、売却されて退去しなければならない……というのが原則です。 そこから多少は“粘れ”なくもありません。最近手掛けた案件では、督促状から強制競売の申し立てまで約6カ月、売れてから立ち退くまでさらに約8カ月かかりました。この間、合計で約14カ月。だいたい1年程度はその場に居続けられるかもしれません。 しかし、それでは大して意味がないでしょう。 ローンが払えなくなっても、そのまま居宅に住み続けたいときの方策は主に2つあります。1つが「リースバック」、もう1つが「個人再生」です。 最も一般的な手段が「リースバック」と呼ばれる方法でしょう。ローンを組んだ金融機関の許諾を得てから、居宅を任意売却します。このとき時価より1~1.5割安い売却となるのが一般的です。その売却先に賃料を支払って居住し続けます(賃借人がすでに決まっている物件を欲しがる買い手もいるのです)。ローンに残りがある場合は、賃料とは別に金融機関と話し合って返済をしますが、別の金融機関への借り換えで返済額を安く抑えるというケースもあります。 このリースバックの手続きを専門に行っている業者は、ネットで検索すると大量に出てきますが、居宅が適正価格よりもかなり安価で売却されてしまう可能性もあり、どこに利ザヤを乗せているのかわからないところがあるので、まるっと任せてしまうのはお勧めできません。まずは住宅ローンの金融機関にそのまま相談するのがベストでしょう。隠し立てせずに現状を話して、なぜ払えないかをきちんと説明すれば相談に乗ってくれますし、売却先を探してくれることもあります。