面倒な浴室掃除。入浴後の「ついでケア」でハードルがぐんと下がる【プロが自宅でやってる時短掃除】
掃除…と考えるだけでため息が出る毎日。掃除のプロなら、さぞや家でもきっちり掃除しているのでは?と聞いてみたところ、ふだんの掃除にかける時間はほんの数十秒だとか!そんな短時間の激ラク掃除でOKなのは、「使ったついでに水気を切ったりしているから」だそうです。プロが実践する「時短掃除」のコツを覚えて、2024年こそはラクしてきれいをキープしましょう!今回は、お風呂の時短掃除編です。 【画像で見る】浴室の排水口。毎日ゴシゴシ掃除する必要アリ? ▶︎教えてくれたのは ホームリフレ 杉 千郷さん 清掃マイスター認定講師、片づけ収納マイスター認定講師。家事代行サービス「ホームリフレ」にて、年間500件以上の掃除業務などに携わる。セミナー講師としても活躍中。 https://homerefre.dot-news.jp/ 洗剤に詳しい 田中 龍さん 工学博士。洗剤メーカーで洗剤の開発に携わった経験から、正しい洗剤の知識や使い方を発信。住まいを傷めず、ラクにきれいにする掃除法についてもブログで紹介している。 https://rikei-businessman.com/ CaSy 萬 貴佐子さん ハウスクリーニング業を経て、家事代行サービス「CaSy」に所属。掃除業務などを行なった家庭は5000件以上。キャスト内のトッププロ集団「TEAM BLACKS」メンバーとしてテレビ出演も多数。 https://casy.co.jp/ ■掃除を「2段階」にすると激ラクになる 掃除のプロたちにふだんの掃除法を尋ねたところ、返ってきたのは「汚れがついたらその場で落とす」というシンプルな答えでした。 「大切なのは、汚れをためないこと。だから毎日の掃除は、その場所を使ったついでにちょこっと汚れを拭くくらいで充分なんです」(杉千郷さん) ついで掃除で落とし切れない汚れは、月に何回かの「しっかり掃除」でオフ。 「汚れに合った洗剤を選べば、掃除はさらにラクになりますよ」(田中龍さん) この2段階の掃除を習慣化するには、「完璧を目指さないことが大事」だと、萬貴佐子さんはいいます。「ピカピカにしなくていいんです! 清潔を保てて、家族が健康に暮らせればOKくらいの気持ちで、ラクに掃除をしてくださいね」 ■浴室掃除を時短で済ますコツ。それは「ついでケア」! それでは、お風呂場のコーナー別に、時短掃除のコツを紹介します。「ついでに掃除」と「月2~3回掃除」などを組み合わせて、上手に汚れを落としましょう! ■【床・壁・ドア】 入浴のついでに 浴室を出る前に床と壁の水を切る 浴室のカビの原因の一つとして挙げられるのが、水分です。「お風呂から出る前に床や壁、ドアに温水のシャワーをかけ、スキージーで水をしっかり切るだけでカビやピンク汚れは予防できます」(田中さん) ⇩ 月2~3回掃除 浴室用洗剤でこすり洗い 月に2~3回は、浴室用の中性洗剤をスプレーしてこすり洗いを。「本来はスプレー後、数分放置して水で流すだけでもOKなのですが、性格的に待っていられず(笑)。僕はこすり洗い派です」(田中さん) ■【排水口】 ついでに ふたの掃除はせずゴミを取るだけ 「掃除する箇所を減らしたくて、排水口のふたを撤去。ゴミ受けは汚れにくい金属製に替えたので、入浴後は髪を取るだけ」(杉さん)。萬さんはカゴを使い捨てタイプに交換。日々の掃除を手放したそう。 ⇩ 月1~2回掃除 排水口の中をこすり洗い 排水口についた石けんかすや皮脂汚れは、ブラシでこすり洗いしてオフ。「塩素系漂白剤をスプレーしておけば、ほぼ汚れは落ちるので、こする手間も最小限ですみます」(萬さん) プロの愛用グッズ ステンレス製のゴミ受け 「排水口のゴミ受けは、ステンレス製のものを愛用しています。その理由は、プラスチック製のものより断然ぬめりや汚れがつきにくく、掃除がラクだから。サイズもいろいろあり、数百円から購入できますよ」(杉さん) DAISO そのまま捨てられる髪の毛キャッチャー 「リングにネットを装着して排水口に置き、ゴミがたまったらリングごとゴミ箱へ。お掃除に伺うおうちでも、ゴミ受けを使い捨てタイプに替えている方が増えていますね」(萬さん)。6個入り ¥110 ■【ボトル類】 ついでに 使用後シャワーを当てておく 「小物類には、温水シャワーをかけておきます。軽く汚れを洗い流しておくだけでもぬめり予防になり、掃除がラクになりますよ」(田中さん)。「直接肌が触れるいすは、浴槽洗いのついでに浴室用洗剤でこすり洗いしておくと安心」(杉さん) ⇩ 月2回掃除 浴室用洗剤をつけブラシでこする ピンク汚れやぬめりが気になったら、洗剤+ブラシでサッとこすり洗い。「毎日シャワーを当てているので汚れがついたとしてもごくわずか。浴室用洗剤できれいに落とせます」(田中さん) ■浴槽&鏡だけは毎日ケアしよう 浴室の日々のついで掃除では、ほぼ洗剤を使わないプロ3人が、唯一洗剤を使うのが浴槽です。 「浴槽の汚れは皮脂やあかと、水道水のミネラル分が混ざった複合汚れ。温水シャワーだけでは落ちないので、入浴のたびに浴室用洗剤を使った掃除が必要です」(杉さん) 一方、浴室内で特に汚れが目立ちやすい鏡については? 「水切りが大切。うろこ汚れがつきにくくなり、ついた場合もラクに落とせます」(田中さん) ■【浴槽】 浴槽に洗剤をスプレーしてこすり洗い 「浴室用洗剤をスプレーして洗い流すだけでもいいのですが、残り湯ラインなどの汚れはこすり洗いを」(杉さん)。「洗剤の適正な使用量を守ることも、汚れをラクに落とすコツ。容器の裏書きを一度確認してみて」(萬さん) 【鏡】 お湯をかけてしっかり水を切る 鏡についた水滴は、放っておくとうろこ汚れの原因に。「温水シャワーをかけたあと、スキージーでしっかり水切りを。ついてしまったうろこ汚れはクエン酸で落として」(田中さん) 2段階掃除の習慣化、そして正しい洗剤使いが浴室掃除のポイントなんですね。「浴室内はいつもピカピカにしなければ!」と自分を追い詰めず、「汚くなければOK」の精神でユルくお掃除していきましょう! 撮影/三佐和隆士 取材・文/恩田貴子