琥珀の中に新種クマムシの化石を発見、「最強生物」の進化の謎に光、8300万～7200万年前
新種は今後も発見される
「クマムシが魔法のようにクリプトビオシスを利用して絶滅を回避したと想像するのは楽しいです」とバーデン氏は言うが、一方で、この能力なしに大災害を乗り切った無脊椎動物がいる点も指摘する。 クマムシがクリプトビオシスによって大量絶滅を生き延びたという仮説を検証するには、さらに多くの化石が必要だ。今後ほかにも新種が発見されることはほぼ間違いないだろう。 「琥珀を研究している人に会うといつも、クマムシがいないか確認するようお願いしています」と、マパロ氏は話す。バーデン氏も同意して言う。「博物館に保管されている琥珀にも、クマムシが含まれたものがきっとあるはずです。ハエや甲虫の隣に隠れているかもしれません」
文＝Riley Black／訳＝荒井ハンナ
