高齢期に住み替えたい人気の住まい「シニア向け分譲マンション」特徴や選ぶときの注意ポイントを社会福祉士が解説
介護サービスは提供されない点に注意
しかし、誤解がないように補足すると、介護サービスは付いていません。マンション側では介護サービスの提供はせず、必要であれば外部業者に委託する必要があります。マンションによっては提携業者があって、その業者に介護サービスをお願いできるところもあります。 シニア向け分譲マンションについて、一般的な分譲マンションとの違いや特徴を確認していきましょう。
シニア向け分譲マンションの特徴は?
シニア向けの分譲マンションは、高齢者の生活にあわせバリアフリー設計であることは勿論、安否確認、見守り、コンシェルジュサービスもあり暮らしやすい工夫があります。 サービスの一例 ・入居者向け 情報サービス(インターネット検索やFAXの送信等)の対応・衣類クリーニングやタクシー、宅配便などの受付・手配・体調不良の場合、居室へ食事のお届け・入居者間同士の交流の場として、館内イベントの企画運営・マンション管理業務全般 マンションにより異なりますが、温泉、プール、カラオケ、レストラン、図書室など娯楽的設備が整っています。また、一般的に居室面積は35~100㎡と広々とした設計で、キッチンや浴室、トイレなどを完備しているので快適に暮らすことができます。 24時間管理室への通報可能な緊急通報装置を設置している建物も多いので、万が一のときにも安心です。 購入資金さえあれば基本的に購入に年齢制限はありませんが、高齢の場合には現金一括、ローンの回数に制限を設けている場合や、入居可能年齢は50才、60才以上など条件が設けられていることもあるので確認が必要です。
シニア向け分譲マンションのメリット・デメリット
メリットは先に説明した、娯楽施設や設備が充実していること、コンシェルジュサービスは勿論なのですが、一番はやはり一般的な分譲マンションと同様、「所有権」があることだと思います。 自由な室内リフォーム、売却、子への相続、賃貸物件として貸し出すことなども可能です。ただ売却は入居条件や購入者層が限られるため、簡単に進まないことも多く、投資目的や売却したいかたは注意が必要です。 一番のデメリットは、そして購入後の月額出費が高額になることが挙げられます。 一般のマンションと同様、管理費や修繕費のほかに、各種サービス利用料(総額で約10~30万円)がかかります。温泉、プール、カラオケ、レストラン、図書室の維持もあるので仕方がないことかもしれません。これらの利用率が高い生活を希望する場合は検討の価値ありともいえます。 加えて、前述のとおり介護サービスは提供されないので、介護が必要になった場合の介護サービスを外注する必要があり、介護費がかかるわけです。 一般的なデメリットとしては、購入費用が高い(数千万~数億円)、認知症や介護度が高くなると住み続けるのが難しいといったこともありますが、購入価格は他の一般的なマンションも同じように値上がりしていますし、介護度や医療依存が高くなると自宅に住み続けるのは難しくなる場合もあるため、特にシニア向け分譲マンションだけの問題ではないといえるでしょう。