国産スポーツカーを乗り回す女性会社員、読書好きから一転 大学時代に見たF1きっかけでドハマり
当時テレビ放送されていたF1が大きなきっかけ
読書好きな少女として育ち、大学時代にとりあえず取ったマニュアル免許。そんなクルマにあまり興味のなかった女の子が、33歳になった今、国産スポーツカーを華麗に乗り回している。北海道ドライブもなんのその。「知らない世界を見る楽しさ」にどっぷり漬かっている。 【写真】読書好きな少女が一変…レーシング分野で名をはせる国産スポーツカー、圧巻の車体 SUBARU BRZからさっそうと降り立った33歳の女性会社員オーナー。代官山から富士スピードウェイまでのツーリングやサーキット体験走行などを盛り込んだ代官山モーニングクルーズと富士ファンクルーズによる初のコラボ企画に参加。サングラスをかけて運転する姿がお似合いだ。 運命的にモータースポーツに引き込まれた。 中・高時代は文芸部で本の虫。両親はクルマに興味がなく、母親は免許も持ってない。大学時代に、母から「学生のうちに取っておきなさい」と言われ、免許を取りに行った。「オートマとマニュアルの違いすら何も分かっていなかったのですが、当時は金額の差が1万円ぐらいで、『どうせ取るならいっぱい運転できる方にしよう』と思って、マニュアルを選びました」。これが、のちに重要な選択になる。 京都で学生生活を送っていた。当時テレビ放送されていたF1を何の気なしに見たら、「面白そう」と興味を抱いた。「鈴鹿サーキットって近いんだ」。そこからレース観戦にドはまり。ル・マン24時間レースなど“海外遠征”をするほどの熱心なファンに。 ファン歴を重ねていき、レース観戦仲間から誘われ、レンタルカートの世界を知った。「当時はカート場が遠いところにあることが多くて、必然と車が必要になったんです」。こうして必要性に駆られたこともあり、マイカーを手に入れたというわけだ。 プジョー 206。中古のオートマが最初のマイカーだった。気に入って乗っていたが、この個体が20年になり、10万キロを迎えたタイミングでひと区切り。手放すことにした。 実は一時期、BRZと2台乗りをしていた時期もある。レーシング分野で名をはせる国産スポーツカーを選んだのは、複合的な理由からだ。「クラシックカーも大好きなのですが、マニュアル車でガソリン車にも乗っておきたいという思いと、新車を買いたいという思いもありました。そんな時に、BRZの新型が出ると聞いて、決めました」。2021年の秋。金銭的にも新車を買えるタイミングで、人生の決断をした。 遠出ツーリング、長時間ハンドルを握るのが性に合うという。2024年は親族の住んでいる北海道を3度ドライブ。「茨城・大洗からフェリー、青森まで自走で函館行きのフェリーのルートでも行きました」。読書の楽しみとドライブに共通点を見いだしているといい、「本を読むと、頭の中で想像の世界が広がっていきます。ドライブで知らない場所に行き、いろいろな景色を見ることと、似たような感覚を覚えます。“世界を見る”という点で、本質的に同じことなのかなって」と実感を込める。 マイカーに沸く愛着。無理のないできる範囲で、サーキット走行も少しずつ体験。「自分の人生で、今やりたいことをやる。その一番のカギになる、とっかかりになるのが、クルマです」。生活、趣味、やりがいに寄り添ってくれる、大事な存在が愛車だ。 BRZでのもう1つの大きな楽しみが。クルマに全く興味のなかった母が、実はすっかりレース観戦ファンに“生まれ変わった”というのだ。 「いや実は、私がモータースポーツの世界に引きずり込んだんです(笑)。大ファンになってしまって、推しのドライバーを見つけて、母なりに楽しんでいるみたいです。レース観戦のドライブで母を乗せることもあります」。10代の頃では考えられなかった母と娘の大事な時間を過ごしている。 「心が豊かになって、人生の幅が広がる。そう思っています」。走る喜びを最大限に味わいながら、愛車と共に走っていく。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム