「成分トレンド」で注目度増す! 今、なぜ「ペプチド」なのか?
皮膚におけるペプチドの研究は、創傷部位に含まれるコラーゲンやエラスチンの再生・形成を刺激することの発見に始まる。また、ペプチドは、若い人の肌に多く含まれ、肌の若さを保つ働きがある。光ダメージによってコラーゲンとエラスチンは壊されてしまうため、若々しい肌を保ちたいのであれば再生する必要がある。 ここまで、天然ペプチドについて述べてきたが、色素沈着(シミ)のコントロール・脂肪細胞に働きかけるなどの有効性が認められた「合成」ペプチドも存在する。この分野は急速に成長しており、毎月のように新しいペプチドが開発されている。発表前の 新しいペプチドを提供してくれる企業もあり、「エンビロン」は非常に早い段階でこれらの商品の処方や実験を開始することができると自負している。特に、“C―クエンスシリーズ”などに、先駆けてペプチドを配合してきた。
――― 「ファヴス」では“ペプチドハイドレーティングアンプル”(3190円)にペプチドを配合している。その理由は?
山中美智子「ファヴス」プロデューサー(以下、山中):一般的に、ペプチドや成長因子は皮膚の細胞の分裂・再生をサポートするといわれている。「ファヴス」のアンプルには一種類のペプチドを入れたのではなく、さまざまなペプチドと成長因子を同時に配合し、多方面にアプローチすることを目指した。選定したペプチドは、EGF1g当たり2000万円以上と非常に高価だ。また高含量の単一製剤として使用した場合、肌が敏感になるといった副作用を想定し、複合ペプチド+成長因子とし、商品価格を抑えるように努力している。
―――「ペプチド」をスキンケアで継続的に使うメリット、期待できる効果は?
竹岡篤史スキンケア成分ハンター(以下、竹岡):ビタミン同様に肌の持つ機能を助けたり、一時的に活性化させたり、沈静化を早めたりして、肌が持つ再生力を高めたり、健康な状態でいようとする力「恒常性」を高めたりする。ペプチドは、体の重要な機能、再生や代謝のスイッチをONやOFFにし、いわば肌の「向上力」を上げる成分といえる。