“学費値上げ”にラップで抗議する現役東大生DJ「東大の内部にいるからこそ」
引き続き、声をあげ続ける
――7月12日、東大は翌年度の入学者選抜要項を発表しましたが、学費値上げについては触れられず、11月までに結論を出すと説明されました。これを聞いてどう感じましたか。 ぷらむ:自分たちの活動が直接影響したかはわかりませんが、学生側からの働きかけがなければ、大学当局は総長対話の前に値上げを決めていたと思います。そういう意味では、一旦の「勝利」だったと感じます。 法念:反対運動の一定の「勝利」ではあると思いますが、学費値上げに反対する声が多数あがった「総長対話」で総長は、「学生の声を聞かずにトップダウンで決めることは考えていない」と発言しており、検討の継続は本来当然のことです。受験直前の秋に学費値上げが決定される方がむしろ受験生を混乱させますから、我々は引き続き、意思決定プロセスへの学生の参画と学費値上げの撤回とを求め、声をあげ続けていきます。 有名進学校から入学し、有名企業に就職していく学生が多いこともあり、これまで東大生に対してどこか保守的なイメージを持っていたことは否めない。今回の抗議活動が起こったことで、反骨心に溢れる学生が学内にこれほど多かったのかと驚かされた。2人も含め、学生達の訴えが大学側の結論にどのような影響を与えるのか、視線を送り続けたい。 <取材・文・撮影(一部)/松岡瑛理> 【松岡瑛理】 一橋大学大学院社会学研究科修了後、『サンデー毎日』『週刊朝日』などの記者を経て、24年6月より『SPA!』編集部へ。『週刊朝日』時代には「東大・京大合格者ランキング」を始め、教育・大学分野の記事を担当した。 Xアカウント: @osomatu_san
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