高円寺はどのようにして「古着の街」になったのか?
「古着の街」高円寺のこれから
古着の低価格化と購買層の低年齢化が進む下北沢に対し、高円寺の客層は30代以上が中心で、高価なヴィンテージ古着が売れる傾向にあると、齋藤さんは話します。この下北沢と高円寺の古着カルチャーの違いは、これまで見てきたようにそれぞれの街の物件の状況が強く影響しているようです。 下北沢では、現在も大規模な都市開発が続けられています。地下化した小田急線跡地だけでなく、駅周辺の古着屋が立ち並ぶエリアでも、ビルなどが多数建設されているので、街の雰囲気はこれからも変わっていくでしょう。 それに対し、高円寺では中央線の高架下で若干の再開発が行われている以外は、現時点では大きな都市開発の動きは見られません。 齋藤さんによると、既に古着屋が多く立ち並ぶ高円寺南口の物件は飽和状態で、最近は北口に開店する古着屋が増えているそうです。そして、その物件はこれまでと同じように、どれも小規模な店舗なので、高円寺らしい古着カルチャーは今後も受け継がれていく考えられます。 若者が集う古着の街になった下北沢と、カルチャーの色濃い大人の古着の街であり続ける高円寺。今後もこのふたつの街が、日本の古着シーンで重要な位置を占めることは、間違いないでしょう。