「推し語りしても反応を貰えない...」オタクの悩みに、書評家・三宅香帆が出す答えは?
推しを好きになったきっかけを語ってみる
Q.5 「とにかく好き」しかでてきません! どこが好きか聞かれても「好きに理由とかある? ないよね」と思ってしまいます。とにかくいい、とにかく好き、それしか言葉がでてきません。 A. 好きなところじゃなくて、好きなエピソードについて語るのはどうですか? 好きに理由はない......って世間ではよく聞く言葉ですが、はたして、本当にそうなのかな? と私は割と懐疑的です。 だって推しができるには、なにかしら「好きになったきっかけ」があって、「あー好きだなーと思う瞬間」の積み重ねがあって、さらに「好きじゃないかも? と思ったけど、やっぱり好き! と感じる出来事」があって......、というような好きの積み重ねがあるはずなんです。あなたと推している人の間に、いろんな瞬間が訪れているからこそ、あなたはその人を好きになっているんです。 というわけで、必ずしも「どこが好き」と理由を語るのではなく、好きだと思った具体的なエピソードやきっかけについて語ってみるのはどうでしょうか。 ちなみに私は友人の「推しのことなんて、もう好きじゃないかも~と思ってたけど、やっぱり好きだと確信した」タイミングの話を聞くのがけっこう好きです。そういうトピックを話してみることも、推しのどこが好きなのか理解が深まっていくので楽しいですよ。
みんなと違う意見を発信するには
Q.6 他人と感想が全然違うとき、まったく同じとき、どちらも不安になります 大勢の人と違う感想をもったとき、それを発表するための勇気や自信は、どうやって身につけたらいいでしょうか? また逆に、他人と同じ感想だった場合、自分が書いて発表する意味があるのかな~と、こちらも不安になります。このあたり、どう考えたらいいでしょう? A. 発信を磨きましょう! みんなと違う意見、みんなと同じ意見、どちらにせよ発信する理由がわからなくなる......ってことですよね。まず「みんなと違う意見や感想を発表する勇気」は、その発信をブラッシュアップすることでしか身につかない、というのが持論です。ややマッチョな考え方ですみません。 修正して、発信を磨くことで、「誰に読まれても恥ずかしくない文章」にしていくことでしか、発信する勇気は身につかない気がするんですよね。相手の意見を変えられるくらい説得力のある発信を目指す。具体性を強め、修正を重ね、発信を磨く。それが勇気や自信になるのではないでしょうか。 そして、「みんなとまったく同じ意見や感想を発表する勇気」もまた、表現を磨くことで解決できます。なぜなら、感想や解釈を深掘りしていけばしていくほど、あなたのオリジナルの発信につながるから! あなただけが持っている経験や、あなたが今まではまってきたジャンル、あなたが魅了されたポイント。それらを駆使した感想を書けば、たとえ結論が他人と同じだったとしても、そこに至る発信はまったく異なってくるはず。 本の中でお伝えした「発信相手を決めること」「気になった点を細分化すること」「修正を重ねること」などなど、いろんな技術を使って、ぜひあなただけの感想を発信してみてくださいね。私はあなたの感想が、読みたいのです!
三宅香帆(書評家)