「推し語りしても反応を貰えない...」オタクの悩みに、書評家・三宅香帆が出す答えは?
自分の好きなものについての発信をしたいけど、なんだかうまくいかない。発信する勇気がでてこない。「好き語り」をするときによく発生するお悩みについて、書評家である三宅香帆さんが答えてくれました。 【データ】現代人が1か月に読む本の冊数はまさかの...? ※本稿は『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を一部抜粋・編集したものです。
他人に響く話術とは?
Q.1 自分が推しを紹介しても、ほかの人に響いている気がしません 自分の推しの話に興味を持ってもらえていない気がします。いいと思うものをうまく紹介できないことが歯がゆくて、結果、あまり他人に推しの話をしないというループになってしまいます。他人に響く話術って、どうすればいいんでしょう? A. 相手に渡す情報の取捨選択が重要です 他人に響く話って、その人にとって、究極「ものすごく共感できる話」か「(興味のある範囲のなかで)新しい情報」のどちらかです。 つまり、相手にとってあなたの推しの話が、 ①相手が共感できる内容なのか、 ②相手の興味のある範囲で新しい情報になるか、 どちらかになったらいいんですよね。 たとえば、一対一で話すタイミングなら、「最近ダイエットがんばってるけど、私の推しが最近ダイエット情報発信してるからSNS見てよ~」「ねえ、ミュージカル好きだよね?推しが今度舞台にでることになったんだけど、舞台って予習していくことある?」など、相手の興味の範囲内で推しの話をしてみると、②の方向で興味を持ってもらえるかもしれません。 あるいは、ほかにも人がいる場であれば、「●●の文脈で見ると、K-POPアイドルのなかでこのグループはこういう点で新しいんだ」など新しい解釈という情報を提示してみると、「へえー、K-POPには興味ないけど、そういう文脈があるのは面白いかも」と思ってもらえるかもしれない。 「こういう辛い体験をしたときに、この俳優のドラマを観て救われた」という話だったら、たくさんの人が「あるある~」と共感できるかもしれない。 相手に渡せる「推し」に関する情報のなかで、相手の興味の範囲内で提供できる新しい情報ってなんだろう? と考えて話してみると、突破口が見つかりやすくなります。 「話術を磨く」というと、なにをすればいいのかわかりにくいですよね。でも、自分が相手に渡せる情報と考えてみると、なにを渡さずになにを渡すのか、どの情報から提示していくのか、考えようがありますよね。応援してます!