麻布が、とうとう渋渋・駒東に追い抜かれ…いま中学受験「男子御三家」で起きている「下剋上」の深層
問われる「教員の質」
「御三家」の勢力図は、生徒の努力だけではなく、「教員」によっても大きく左右されるという。 「優秀な生徒を集めるのはもちろん大事ですが、その一方で、生徒を東大合格させられる教員はそう多くはない、というのが実態です。教員を正当に評価し、優秀な人材の確保することによって、学校の良し悪しは変わっていく。つまり、デキる教員を育て、維持する力というのも、学校にとってはいま、非常に大きな課題なのです。 その点、武蔵が『御三家』として踏みとどまっていられたのは伝統に加えて、教員の質が高いからです。来年あたり武蔵からの東大合格は再び増えるかもしれません。そうなると、武蔵に対する見る目もまた変わってきます」(森上氏) よい指導者を育てるには、時間もおカネもかかる。伝統校にはそうした下地を支える強さがある、と森上氏は指摘する。
伝統校の底力を発揮できるか
文部科学省の「2022年度学校基本調査」によると、全国の中学校生徒数は約321万人。そのうち私立中学に通う生徒は約7.7%だった。さらに東京都教育員会の調査によると、2023年春に都内の公立小学校を卒業した子どものうち、私立や国立の中学校に進学した割合は20%を超え、過去最高になった。 いま首都圏では、中学受験はなにも珍しいことではない。新たな難関校が次々と台頭してくる中で、伝統校はその底力をいかに発揮することができるか。少子高齢化が進むにつれ、その手腕と真価もさらに問われている。 【詳しくはこちら】『中学受験に異変!「男子御三家」麻布が、渋渋・駒東に追い抜かれた「衝撃データ」の中身』
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