日本でもカルト的人気を誇るデンマーク発のブランドとは? 子ども時代に夢みた「プリンセス」を"大人かわいい"で体現
バンセン自身も、幼い頃からフェミニンな美学を貫いてきたと言う。 「子どもの頃も、私はこのようなドレスアップするのが好きだった。たっぷりしたドレスに長靴を合わせてね。女性であることを受け入れることは、強さの表れだと思います。ありのままの自分でありながら、ビジネスウーマンやママでもいられる。か弱い存在になる必要はない。あ、でも、なりたければそれにもなれるわ!」 バンセンは、彼女のベビードールドレスやペプラムトップスをさまざまな女性がどう着こなしているかのを見るのが大好きだという。 「女性らしさにも豊かな多様性があり、彼女たちがそれぞれいかに異なるスタイリングで着こなして、私に刺激をくれるかということが大事」。バンセンのシグネチャールックはユースフルで気楽さがある。装いにプラスワンするだけで、一瞬にしてキュートに見えること。それが、世界中の大人たちが惹かれる理由だろう。 コペンハーゲン発のブランドでありながら、バンセンは2019年からコペンハーゲン・ファッション・ウィークではショーを行なっていない。2021年から発表の場をパリに移しているが、彼女の存在感はコペンハーゲン・ファッション・ウィーク全体に感じられる。 朝食会でバンセンは、「今シーズンはとにかく何かやらなきゃいけなかったの!」と明かした。彼女はアシックスと3度目のコラボとなるスニーカー、「セシリー・バンセンxアシックス GEL-QUANTUM 360 VIII」をローンチ。アシックスの人気スニーカー「GEL-QUANTUM 360 VIII」を、バンセンがシルバーの花の形の留め具付きや、トップと後ろにストラップがついたサンダル風のデザインに再解釈し、初めて女性用にリメイクした。
バンセンが手掛けるアシックスのスニーカーは、フリル付きのソックスを合わせて履くのがおすすめ。 そこに同ブランドのドレスやスカート、トップスを合わせて、スニーカーもガーリーに解釈するのがバンセン流。ふんわりとしたバンセンのアイテムに、ストライプ柄のシャツをレイヤーしたり、ブラを透けさせたりと、着る人の個性が光るのも特徴的だ。バンセンは「ブランドを中心としたコミュニティーが出来上がってきていると感じます。友人同士が大勢で一緒に着て、お互いにインスパイアし合い、一緒にドレスアップしよう!そんな素敵なムードが漂います」と話す。その通り、コペンハーゲン・ファッション・ウィークでショーを開催せずとも、バンセンの根強い人気とコミュニティ力が感じられた。
From Harper's BAZAAR.com