34歳年収1200万円商社マンが「インド人の部下」を持って震えた…衝撃の「給料交渉術」と「転職戦略」
遅刻は当たり前。終業時間の5分前には帰る準備を始め、仕事が終わってなくてもシレッと帰ろうとする。「やれます!」と元気よく言った仕事でも納期を守ってはくれない……。インド赴任を命じられた日本人商社マン管理職が職場で絶句したエピソードについては前編記事〈「インド人の部下」100人と働く〈34歳年収1200万円商社マン〉が絶句…遅刻をしても残業はしない、やれないのに「やれます!」が口グセ〉で紹介した。 【写真】10年前に三菱商事に投資していたら「配当利回り」は今いくら? 本記事では引き続き、同国で四苦八苦しながら働くM氏(34歳・総合商社勤務、仮名=以下同)に、「インドの職場の驚くべきリアル」について話を聞かせてもらう。 聞き手:佐藤大輝(世界37ヶ国を旅したバックパッカー)
ちょっとズル賢いインド人の転職戦略
ーーMさんの会社で働くインド人の年収ってどんな感じなんですか? 日本と同じで人によって契約内容にバラつきがある上で、ほとんどの社員は(職種別賃金水準の)平均を上回る給料を貰ってますね。なのでイメージとしては、インドのミドルアッパー層の方々に働いてもらってる感じです。例えばインドの首都圏では、一般事務職なら7万ルピー(約12万円)。セールス担当職は10万ルピー(約17万円)。エンジニアは5万ルピー(約8万5千円)くらいが平均月給なんですけど、ウチの会社で働いてれば基本これ以上の給料が出ます。 日本人の感覚だと低い年収に感じるかもしれませんが、インドは物価がものすごく安くて、50ルピー(100円未満)あれば外でご飯が食べれるんです。ちなみにウチの会社で働くと、毎年10%くらい年収がアップします。 ーー10%も昇給するなら、雇用の流動性はあまり高くない感じでしょうか? いや、全然みんな気軽に転職していきますね。年収10%アップは他社でも当たり前のように行われているので。ちなみに転職を材料に給料交渉してくるのが、インドの職場の日常的な光景です。今より年収が15%高い条件で他社からオファーが来てる。このままじゃ転職するぞって交渉してきて、こちらが渋々20%アップを了承したら、その条件を他社に持ってて30%アップで交渉する……みたいな。そもそも最初の15%アップのオファーが作り話なこともあるみたいです。 ーー強かと言うべきか……ちょっと“ズル賢い”感じなんですね。 僕の経験則だと、インドでは7~9月頃に転職者が増えます。インドでは1年更新の雇用契約が多くて、春先が契約更新月なんですけど、おそらくここで決まった雇用条件を交渉材料に……夏頃までに良い条件の会社が見つかったら転職して、見つからなければ次の更新月までとりあえず頑張るか、みたいな考えなんだと思います。