「相手の心を一瞬でつかむ人」は何が違うのか…言葉のプロが唸った、宇多田ヒカルの“ヒットの哲学”
■たとえば、こんな日常の1コマに隠れている 以上より、インサイトを見つけるときに大切なことは「普段の暮らしの中で感じる、自分自身の感情」に目を向けることと言えるのです。 日常生活の中での自分の感情に目を向けるというのは、例えば、次のようなイメージです。 ---------- ○家族や友人との会話で、何気なく出た一言が面白いと感じたとき その瞬間、なぜその言葉に引き込まれたのか、理由を探ってみる ○新しいレストランでの料理に、想像以上に感情を揺さぶられたとき その食体験がなぜ特別だったのかを自分なりに分析してみる ○SNSでもてはやされているトピックに、不快を感じたとき その不快の感情が何に根ざしているのか、深く掘り下げてみる ---------- ■「さあ、見つけよう!」で見つかるものではない さらに、こういった数々の自分の「個人的な感情」が動いた瞬間を集めて、忘れないようにメモに残したり、記憶にとどめたりして、ストックしておくことも大切でしょう。 実は、仕事として「さあ、インサイトを見つけよう!」と意識する前の、日常生活を送っている段階で、すでにインサイトを見つける準備が始まっています。 プロの人たちの話をまとめると、インサイトは見つけたり探したり、というよりも、日々の生活の中での「気づきや違和感」を集めておいて、「なぜ自分がそう思ったのか?」を考える習慣をつけ、それを思い出すということのほうが、実際の作業の感覚に近いかもしれません。 ---------- 佐藤 真木(さとう・まき) 電通 シニア・マーケティング・ディレクター 慶應義塾大学経済学部卒業。2004年、電通に入社後、主にマーケティングやブランディング、戦略立案に従事。大手クライアントから官公庁、地方自治体、スタートアップまで、100社以上のキャンペーン設計、広報戦略、新商品開発、新規事業戦略、ビジネスデザイン、企業ブランディング、地域ブランディング、アート思考研修などの企画、実施、ディレクションを行う。共著に『場所のブランド論』(中央経済社)、『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)、教育講座の執筆協力に『想像力を武器にする「アート思考」入門』(PHP研究所)がある。 ---------- ---------- 阿佐見 綾香(あさみ・あやか) 電通 マーケティング・コンサルタント 埼玉県さいたま市浦和出身。早稲田大学卒業後、2009年、電通に入社。以来、マーケティング・コンサルタントとして、数多くの企業のマーケティング、経営戦略、事業・商品開発、リサーチ、企画プランニングに従事。担当した業種は化粧品・アパレル・家庭用品・食品・飲料・自動車・レジャー・家電など。大手企業だけでなく、ベンチャー・中小企業も担当するなど、幅広い業種・規模の企業を手掛ける。著書に、累計2万部越えのベストセラーとなった『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』(PHP研究所)、共著に、『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)がある。 ----------
電通 シニア・マーケティング・ディレクター 佐藤 真木、電通 マーケティング・コンサルタント 阿佐見 綾香