【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】ハミルトンはフェラーリ移籍を後悔する!?
■フェルスタッペン選手にようやくライバルが! シーズン中盤に入り、フェルスタッペン選手とノリス選手によるバトルがヒートアップし、注目を集めています。2021年シーズンにフェルスタッペン選手はハミルトン選手と熾烈なタイトル争いをしましたが、その後、メルセデスが低迷したこともあり、フェルスタッペン選手はライバル不在の時期が続きました。そこにようやく同世代のノリス選手がフェルスタッペン選手の対抗馬として登場してきたわけですから、世界中のF1ファンはワクワクしているはず。 でも僕は、ルクレール選手がフェルスタッペン選手のライバルになると思ったこともあったんですけどね......。2022年シーズン、フェルスタッペン選手とルクレール選手が激しいバトルを何度か繰り広げたのですが、その後はフェラーリの戦闘力不足やミスなどもあり、物足りないシーズンが続いていました。今年はモナコGPで2年振りの優勝を飾りましたが、ルクレール選手は発言もバトルもクリーンですし、ちょっと"いい子"過ぎるのかもしれません。 ノリス選手も優等生タイプという印象でしたが、第6戦のマイアミGPで初優勝を飾り、常に優勝を狙える位置を走るようになって、戦い方が変わってきている。貪欲に勝利を目指す走りになっています。ライバルと争ってチャンピオンを勝ち獲るためには、できることはなんでもやるという部分が絶対に必要になってきます。 時には、えげつない走りをすることがあるかもしれないし、それはすべて悪いことじゃないと思います。これからフェルスタッペン選手とノリス選手は、さらに激しい優勝争いを見せてくれるんじゃないかと期待しています。
■見どころ満載のハンガリーとベルギーの連戦 イギリスGPでハミルトン選手が優勝し、今季6人目のウイナーが誕生したことになります。昨年のウイナーはわずか3人(フェルスタッペン選手、セルジオ・ペレス選手、カルロス・サインツ選手)でしたが、シーズン中盤に入って、各チームのマシン性能に大きな差がなくなり、混沌としてきました。 でもメルセデスのふたりが常に優勝争いにからんでくると、ポイントリーダーのフェルスタッペン選手にとっては好都合なんですよね。ライバル同士でポイントを取り合う状態になりますから。ただコンストラクターズタイトルに関しては、首位のレッドブルは安泰といえる状況ではありません。 フェルスタッペン選手のチームメイト、ペレス選手が絶不調で、第8戦モナコGP以降の5戦でペレス選手は11ポイントしか獲得していません(同期間でフェルスタッペン選手は94ポイントを獲得)。さらにレッドブルはこれまでマシン開発を率いてきたエイドリアン・ニューウェイ氏が2025年の第1四半期限りでチームを離脱することが決まっており、すでに開発の第一線から退いています。レッドブルは、この先のマシン開発にも不安があります。 そういう状況で迎える、ハンガリーとベルギーの2連戦は見どころ満載です。ハンガリーは曲がりくねった低速コーナーが続き、平均速度も低い。続くベルギーは高速コーナーが多く、F1屈指のハイスピードサーキットです。対照的なキャラクラーのサーキットで行なわれる連戦で、2連勝中のメルセデスが優勝争いに加わってくるなら実力は本物でしょう。でも、そうなったらハミルトンはフェラーリへの移籍を後悔するんじゃないですかね(笑)。 ハンガリーはマクラーレンが得意とする低速コーナーが多く、ノリス選手とピアストリ選手は上位に入ってくると予想しますが、フェラーリも全レースの中でもっとも低速のモナコで優勝しているので期待したいです。ここでダメだと、アップデートそのものが失敗という結論になるかもしれません。そうなると、今後の戦いがさらに厳しくなってきます。 同じことはVCARBにも言えるかもしれませんが、角田選手のコメントを聞くと、VCARBのマシンは低速コースと相性がいいようです。ハンガリーで速さを見せて、後半戦に向けて期待の持てる結果を残してほしいです。