【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】ハミルトンはフェラーリ移籍を後悔する!?
■精彩を欠くフェラーリとVCARB 復調の兆しがあるメルセデスとは対照的にフェラーリは精彩を欠いています。第10戦のスペインでは大型のアップデートを持ち込みましたが、車体が激しく上下動するポーパシングに苦しみ、イギリスでは旧型仕様のパッケージに戻していた。つまりダウングレードです。アップデートが機能しなかったこともあり、スペイン、オーストリア、イギリスの3連戦ではレッドブル、マクラーレン、メルセデスの3チームから遅れをとってしまった感があります。 フェラーリと同様にスペインで大型のアップデートを持ち込んだビザ・キャッシュアップRB(VCARB)もシルバーストンでは苦しんでいました。アストンマーティンやハースに先行され、ウイリアムズにも攻めたてられていました。 レース中、僕は角田裕毅(つのだ・ゆうき)選手のラップタイムをずっと追いかけていましたが、ウイリアムズ勢よりもちょっとずつ遅かった。そんな苦しい中で、角田選手は一生懸命に食らいついて、なんとか10位でフィニッシュ。第8戦のモナコGP以来の入賞を果たしました。 それでも中団グループのライバル勢が競争力を上げてきたこともあり、角田選手はドライバーズランキングでトップ10から陥落。イギリスGP終了時点で、アストンマーティンのランス・ストロール選手とハースのニコ・ヒュルケンベルグ選手に抜かれてしまいました。特にヒュルケンベルグ選手の活躍は光っています。彼は予選ではどんな状況でも一発のタイムを出してきます。まさに予選職人ですね。イギリスの予選でも6番手を獲得し、決勝でもそのポジションを守り切っています。 僕が好きで応援しているフェラーリと、角田選手の所属するVCARBがともにマシンのアップデートが機能せず、ライバルに対して相対的に競争力を下げてしまっているのが現状です。そこが悲しいですね。両チームが苦しんでいる原因が、走行データが少ないためにセッティングのスイートスポットが見つかっていないということであれば改善の余地もあると思うのでいいですが......。