【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】ハミルトンはフェラーリ移籍を後悔する!?
連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE12 第12戦イギリスGPがシルバーストン・サーキットで開催され、メルセデスのルイス・ハミルトンが2年半ぶりの優勝を飾り、今季6人目のウイナーとなった。王者マックス・フェルスタッペンは苦戦するも、2位でフィニッシュ。ランキング2位につけるマクラーレンのランド・ノリスが3位に終わり、ポイント差を広げた。 【写真】「ハンガリーとベルギーの2連戦は見どころ満載」と話す堂本光一 次は夏休み前の最後のイベントとなるハンガリーGP(決勝7月21日)とベルギーGP(決勝7月28日)の2連戦。レッドブル、マクラーレン、メルセデスの力が拮抗し、混戦模様に拍車がかかっているが、新たなウイナーは誕生するのか!? * * * ■ドライでのガチンコ勝負を見たかった シーズン折り返しの第12戦イギリスGPは本当に面白かった。ドライのスタートでしたが、途中で雨が降ったり止んだりして、コンディションが目まぐるしく変わっていきました。そのたびに順位が入れ替わり、スリリングな優勝争いが展開されました。 そんな中、予選から速さを見せていたメルセデスのハミルトン選手が戦略とピットストップを決めて、母国GPで9度目の勝利をつかみ取りました。ポールポジションを獲得したジョージ・ラッセル選手は、決勝でトップを快走する場面があったのですが、マシントラブルでリタイア。惜しかったですね。 好調マクラーレンの2台も速かった。ランド・ノリス選手とオスカー・ピアストリ選手はともにピット戦略をうまくやれば勝てるチャンスはあったと思いますし、レッドブルのフェルスタッペン選手もレース終盤、ドライコンディションになってから驚異的な速さでトップのハミルトン選手を猛追しました。最後まで誰が勝ってもおかしくない状況で、見どころが多すぎました。 ただ付け加えるなら、ドライでのガチンコのレースが見たかった。メルセデスはドライでも強かったのか? それとも彼らにとって恵みの雨だったのか? もしドライだったらメルセデスとマクラーレンのどっちが速かったのか? あるいはフェルスタッペン選手が勝ったのか? ドライで、各チームのマシンの本当の実力を見たかった。もちろん今回の混沌としたレースも十分面白かったですが、それでもドライの勝負を望むのは贅沢ですかね(笑)。 難しいコンディションとなったイギリスGPは、7度の世界チャンピオンに輝いた経験豊富なハミルトン選手が王者の強さを発揮したレースでした。シルバーストンは高速コーナーが多く、前方のマシンの乱気流によって自らのマシンがスライドしタイヤを痛めてしまう選手がいましたが、ハミルトン選手はタイヤをうまくマネジメントしていた。攻めるときと守るときをしっかりと見極め、タイヤを上手に使って戦っていました。 来年フェラーリへの移籍が決まっているハミルトン選手にとっては今回のイギリスGPが2013年から長年在籍するメルセデスでの最後の地元GPです。そこで優勝を決めたのですから、運も実力も持っていると改めて感じましたし、それと同時にメルセデスのマシンは安定感があり、すごく良くなっているように見えました。