ヴィッセル神戸がリーグ連覇 J1 天皇杯と2冠達成
明治安田J1リーグ最終節の8日、ヴィッセル神戸はノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で湘南ベルマーレと対戦し、宮代大聖と武藤嘉紀、扇原貴宏がゴールを重ねて3-0で快勝し、2年連続2度目の優勝を決めた。リーグ連覇は史上6クラブ目。今季は21勝9分け8敗の勝ち点72で終えた。天皇杯全日本選手権と合わせてクラブ初の2冠を達成し、創設30年目で四つ目のタイトルを手にした。 【写真】前半、先制点を挙げ笑顔を見せる神戸の宮代 深紅に染まった満員のスタジアムに、歓喜の雄たけびがこだました。初練習を予定した日に阪神・淡路大震災が発生し、間もなく30年。街の復興とともに歩んだクラブが、リーグ連覇と2冠の偉業を、大勝で飾った。 大一番で均衡を破ったのは、またも宮代だった。前半26分、右サイドの酒井高徳のクロスに武藤が頭で合わせ、相手GKがはじいたこぼれ球を、左足で無人のゴールへ押し込んだ。天皇杯全日本選手権決勝のG大阪戦でも唯一の得点が決勝ゴール。再びタイトルに直結する一発となった。 2点目は神戸の得意パターン。前半43分、GK前川黛也のロングキックに大迫勇也が頭で合わせ、佐々木大樹が相手GKをかわす横パスを出し、武藤が流し込んだ。「最後は気持ち。一つの妥協もなく、チームのために走り、優勝に導くことができればいい」と、有言実行のゴールを挙げた。 とどめは不動のアンカー扇原だ。主将の山口蛍とともに「チームの心臓」を担う背番号6は後半25分、左足でミドルシュートをたたき込んだ。最終戦にして神戸3季目で初ゴール。リーグ戦では5年ぶりの得点だった。 神戸は一昨季途中から3度目の指揮を執る吉田孝行監督(川西市出身)の下、高い位置を保って前線からプレスをかけ、攻守に強度の高いプレーを貫いた。今季は選手層に厚みが増し、川崎から加入した宮代は、元日本代表コンビの大迫勇也、武藤とともに2桁得点をマークし、計35得点を挙げた。 序盤から上位を維持し、8月下旬から10月上旬にかけ、同一シーズンでクラブ初の6連勝を記録。11月に入って半年ぶりに首位に立ち、そのまま逃げ切った。 神戸は元スペイン代表アンドレス・イニエスタを擁した2020年元日に天皇杯で初タイトルを獲得し、昨季はリーグ初優勝を遂げた。(井川朋宏)