部下、後輩への〈ダメ出し〉で損する人・得する人の「決定的な違い」… 「ずっと気になってた」は絶対NGワード
一方通行ではなく双方向で伝えよう
気をつけなくてはならないのは、成長の手助けになっているかということです。不足している部分をただ伝えるだけでは、ただの指摘です。考えるきっかけや、新しいチャレンジへのモチベーションを引き出すのがフィードバックです。 一方的に伝えるのではなく、双方向であることを大切にしましょう。相手の意見や考えを聞いたり、質問を受け付けたり、引き出したりする。そうすることで気づきを得やすくなりますし、納得感に違いが生まれます。納得すればするほど、次のアクションへのモチベーションは高まります。 あなたより相手の方が考え、そしてしゃべっている。そんなダメ出しこそが理想なのです。 ここでは、フィードバックの内容をどう磨き上げるかだけでなく、相手が受け入れやすくなるような導入もお伝えします。 「ちょっと時間いい?」と何を話すのかも伏せて呼び出せば、相手は緊張するだけです。双方向の対話とは真逆です。防御モードにならないよう、優しく協力的なトーンで接することが肝心です。 また、直接的なダメ出しの得する伝え方もご紹介します。 「それは良くないよ」とストレートに伝えることが本人の自覚を引き出せる場合もあります。ですが、角が立ってしまう場合の方が多いのではないでしょうか。さらには、何度伝えても効かないなんてことも。そんなときに役立つ、ちょっと異なるアプローチです。 余談ですが、ダメ出しの「ダメ」の語源は囲碁だそうです。石に囲まれていない、白黒どっちの陣地にもならないところを“無駄な目”という意味で駄目と呼んだのが由来です。
フィードバックで大切なのは「スピード」
【損】ずっと気になってたんだけど ↓ 【得】耳が痛いかもしれないけど、今言わせてね フィードバックで大切なのは、スピードです。後から言われると「なんであのとき言ってくれなかったんだ」となります。あなたは数日のつもりで「ずっと」を使ったかもしれませんが、相手は何週間も何ヶ月もずーっとあなたが我慢していたかのように感じるかもしれません。 相手がその指摘内容を自覚していればまだ大丈夫です。問題なのは、本人の想定外の指摘をしてしまったときです。「私の仕事はずっとダメだと思われていたのか」と、過去のことまで後悔しなければなりません。これでは前向きに取り組めません。 あなたがプロジェクトチームのリーダーとして、メンバーのパフォーマンスに気になる点があるのなら、「耳が痛いかもしれないけど、今言わせてね。進捗が遅れだしているのが気になっていて」と伝えます。なるべく早く、深刻になる前に伝えましょう。 ちょっとしたことを指摘したいだけなので、前半部分が重く感じるのなら、「きっと大丈夫だと思うけれど」と、大前提としてちゃんと期待しているという敬意のある伝え方をするのもいいでしょう。 他にも、「プレゼンをもう少しコンパクトにすると、もっと魅力的な説明になると思う」とプラスの未来を添えると、より具体的になります。