大調査 確定申告で政治献金を取り戻す国会議員たち②取材に無回答の与野党21人の議員名を明らかにする…不可解な回答のケースも(全3回)
高野光二郎氏(参院=徳島・高知選挙区)は2015年の寄付250万円について、税額控除の書類を受け取った。控除の申請をした場合は約75万円が戻ってきたことになる。高野氏からはファクスで「還付金は受け取っていない」との回答が届き、ファクスにはその理由も記されていた。以下のような内容である。 「2015年に高野議員本人から政党支部に寄付があった際、当時の会計担当者が他の寄付金の扱いと同様に、寄付金控除の書類申請を選管に行ってしまった。書類は受け取ったものの、道義的に反しているとの認識でしたので、確定申告の際に書類を提出することはなく控除を受けることはなかった」 穴見陽一氏(大分1区)は2015年分の寄付金計960万円について、控除申請のための書類を選管から受け取った。税額控除を申請していれば、約288万円を還付されたことになる。穴見氏の男性秘書からは電話で回答があり、「書類は受け取ったが、控除申請はしなかった」と言う。その理由については「他の寄付者と同じように書類を作成したものの、議員本人が(控除)申請してはまずいと判断して使わなかった」と話した。 宮路拓馬氏(九州ブロック・比例単独)は2016年の寄付100万円について寄付金控除の書類を受け取った。税額控除を申請すれば約30万円が還付された計算だ。宮路氏からはファクスで「還付金は受け取っておりません」という回答が寄せられた。議員会館に電話し、控除を受けなかった理由を尋ねたところ、男性秘書が「他の寄付者と同じように議員も書類を受けたが、(控除を申請するのは)まずいことだと思って書類は使わなかった」と答えた。 (第3回につづく)
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