欧州クラブキャンプで構想外、癒えない怪我…「一番の選択は何か」 元日本代表“苦渋の決断”【インタビュー】
日本人選手が海外で活躍するために必要なこと
東京Vの下部組織時代から、強く海外を意識してきた三竿も、欧州再挑戦への思いは胸に秘めているだろう。それでも「まずは自分のコンディションやパフォーマンスを上げて、チームを勝たせることを目標としてやっています。未来は急に変わるので、結果的に(欧州復帰と)なれば嬉しいですけど、何もわからないので、今はとにかく一生懸命、自分のレベルを上げることにフォーカスしています」と、自身のプレーを100%発揮できる状態に戻すことを最優先に挙げる。 1年半にわたる欧州での経験を経て、改めて日本人選手が海外で活躍するために必要だと感じたことは何かを問うと、少し考えてから「重要なのは、気持ちじゃないですか?」と、答えた。 「『できる』って思ってやり続けること。あとは語学。自分の主張であったり、思っていることを表に出さないと、周りからは『コイツは喋れないから』と見られると思うんです。僕はそういうことがなかったので分からないのですが、主張を細かくできるくらいは必要かなと思っています」 欧州から日本に復帰したことが、キャリアにおけるステップダウンではなく、1人のアスリートとして正しい選択であったことを示すためにも、三竿は鹿島での2度目のキャリアに賭けている。 [プロフィール] 三竿健斗(みさお・けんと)/1996年4月16日生まれ、東京都出身。東京ヴェルディ―鹿島アントラーズ―サンタ・クララ(ポルトガル)―OHルーベン(ベルギー)。中盤から最終ラインのポジションをそつなくこなすユーティリティ性が持ち味。キャプテンシーも備え、鹿島ではクラブ史上最年少キャプテンにも抜擢された。
河合 拓 / Taku Kawai