「家族連れ」が「撮影の邪魔」にならないように肩身の狭い思いをすることもなく…「足立区で行われた鉄道イベント」が大成功した「意外なワケ」
プラネタリウムで行われた寝台特急の舞台裏紹介
いっぽう、館内の「まるちたいけんドーム」では、「寝台特急カシオペアを体感! あなたの知らないカシオペアの内部を大公開!?」と題した企画が行われ、寝台特急の舞台裏が紹介された。開場直前には、ギャラクシティのスタッフが、客席の整理券をすべて配り終えたことをアナウンスした。 ステージに立ったのは、制服姿の鉄道員。JR東日本に所属する社員6人(運転士と車掌)である。彼らは交代でマイクを持ち、客席に語りかけた。 冒頭では、東京23区で最大のプラネタリウムのスクリーンに夜空が映し出され、「北極星」を中心にして回る「北斗七星」や「カシオペヤ座」の位置が表示された。寝台特急の「北斗星」や「カシオペア」の名前の由来になった星座だ。また、これらの列車の終点だった札幌駅での夜空も再現され、東京と札幌での星の見え方のちがうことが示された。 このあと「カシオペア」の舞台裏が紹介された。東京都北区にある車庫(尾久車両センター)で機関車と客車を連結し、始発駅である上野駅まで列車を回送し、旅客を乗せて発車する。そのとき現場で働く人たちがどのような作業をし、安全のために何に気をつけているのか。それらが3択のクイズ形式で紹介されたのだ。社員が「正しいのはどれかな?」と問いかけると、客席からは「いちばん!」などという子どもの声が響きわたった。 動画には、現場の実写映像だけでなく、解説のためのかんたんなアニメーションもふくまれており、エフェクトも凝っていた。エンドロールでは、このプロっぽい映像の制作者が社員だったことが明かされた。
鉄道模型メーカーも協力
館内では、この他にも多くの鉄道企画が行われ、大勢の人でにぎわった。今回目立ったコンテンツは、クイズと鉄道模型である。 クイズは、すでに述べたように、コンサートやプラネタリウムで試みられた。また、今回は「鉄道クイズラリー」というクイズに限定したコーナーが設置された。どうも「クイズを解きながら鉄道を知る」という参加型のコンテンツが、来場者をひきつける鍵になったようだ。 鉄道模型に関しては、プラレールやNゲージ、HOゲージ、そして手づくりの模型と、さまざまなタイプのものが展示された。NゲージとHOゲージの運転体験コーナーでは、1人あたりの利用時間を10分に制限して、参加できる人数を増やしたものの、整理券は当日の開館直後に配り終えた。 これとは別に、Nゲージのジオラマの展示も行われた。このジオラマは、東京都の複数の高校生が制作したもの。車両が1周する単独作品の他に、小さいジオラマをつなぎ合わせた「合作」も展示された。この企画は、鉄道模型メーカーであるKATOの協力によって実現した。 手づくりの模型は、NPOナナツホシのスタッフが制作して展示した。車体は牛乳パック、車輪やレールはホームセンターで購入できる汎用品でできている。同団体の代表は、このような既製品ではない鉄道模型を通して、子どもたちに工作の楽しさを伝えたいという。 なお、これらとは別に、鉄道の秘蔵映像を楽しめるコーナーもあった。これは、鉄道企画株式会社と東武博物館の協力によって実現した。