高度経済成長期の少女たちが『サインはV!』に大熱狂…!登場人物が骨肉腫で亡くなる「スポ根マンガの金字塔」は漫画家も「命がけ」だった!
スポ根マンガは、荒唐無稽ではなかった
悲劇的な運命をたどるジュン・サンダースは、「エリザベス・サンダース・ホーム」の出身、という設定でした。ここは、進駐軍兵士と日本人女性の間に生まれた混血孤児を収容する施設として国民に広く知られていたのです。 「ドラマのキャスティング時、プロデューサーの方達と旅館に集まって、タレントのブロマイドをばーっと並べて、誰が何役がいいと思うか、意見を出し合い集約していったんです。 でもジュン役だけは、その場で見つけることができず、後日やり直しに。第2回目でも見つからず、第3回目の時に入っていた笵文雀さんのブロマイドを僕が見つけて『コレだ! 』と。 ところがテレビ局側が、黒人兵とのハーフという設定なのに彼女はハーフじゃないし、むしろ色白じゃないかと反対した。色は(ドーランを)塗ればいい、絶対彼女だと僕が言い張り決まりました。大正解だったと今でも思っています」(前出・講演会での望月あきら氏発言より) また「東洋の魔女」たちが実際に身につけたプレーにも回転レシーブ、「木の葉おとし」サーブなど、魔球のような名称がついていました。当時の社会世相とスポ根マンガは、人間の思いという面で間違いなくリンクしていたのです。 2024年6月22日、オリンピック前の最後の大会、ネーションズリーグ準決勝で、日本女子は世界ランク1位のブラジルを破る大金星を挙げ、同大会日本勢初の銀メダルに輝きました。パリ五輪の一次リーグで同組として激突する相手に対して攻め切っての勝利です。 男子も世界ランク2位まで浮上、長きにわたって低迷してきた日本バレー界が再浮上の兆しをみせています。 私たちも「サインはV!」の気持ちでパリ五輪の日本チームを応援してみませんか。 【さらに読む】『「おれについてこい!」…日本女子バレー「東洋の魔女」をしごき上げた「鬼の大松」超スパルタ伝説の「意外な真実」』 ---------- *『サインはV! 』は、現在、電子書籍で読むことができます。 ----------
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