定年後の悩みはご近所づきあい。顔を合わせたくないと、外出も億劫に。嫌だ、苦手だという気持ちを取り払うのが最善の策
人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。 * * * * * * * ◆男性のリタイア後の悩みはご近所づきあい 会社勤めで人間関係に悩むことがあっても、会社を出れば、ひとまずリセットできるでしょう。ところが、リタイア後の人間関係は、そう簡単にリセットできません。 長い間、家を任されてきた奥さんは、当たり前のように隣近所と挨拶をしたり、世間話を楽しんだりしているでしょうが、リタイアしたばかりの夫にとっては苦痛になるケースも少なくないのです。 隣近所との人間関係がうまくいかないと、顔を合わせたくないので、散歩に出かけるのも億劫になります。リタイアして、せっかく時間を自由に使えるようになったのに、もったいない話ですね。 アメリカには「友人は選べるが、隣人は選べない」ということわざがあります。たしかに、どんな人が住んでいたとしても、お隣となればつきあわざるを得ず、どうしても避けたければ、引っ越すしかありません。
◆隣人との人間関係は必ずつきまとうもの しかし、無人島にでも引っ越さない限り、隣人との人間関係は必ずつきまとうもの。それならば、嫌だ、苦手だという気持ちを取り払うのが最善の策ということになります。 なかには「嫌なものは嫌だ」「面倒だ」という人もいるでしょう。しかし、こちらが「嫌だ」と思っていると、隣人との関係はますます悪化し、ストレスはたまる一方になります。 そこで、まず挨拶くらいはしてみましょう。よほどの人でない限り、相手も挨拶を返すでしょうし、少しずつ言葉を交わすようになるかもしれません。何度か話をしてみた結果、「好きになれそうにないと思っていたのは勘違いだったな」と思い直す可能性もあるでしょう。
保坂隆
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