【大学野球】早大・山縣秀が守備で好判断 球際の攻防が展開されている明大との「相星決戦」
大事な1回戦を守り勝った早大
【10月19日】東京六大学リーグ戦第6週 早大3-2明大(早大1勝) 春の覇者・早大と明大は6勝1敗1分け、勝ち点3で並んでいた。明大との「相星決戦」で、早大は大事な1回戦を守り勝った。 【選手データ】山縣秀 プロフィール・寸評 2点リードの9回表。この回から救援した田和廉(3年・早実)は暴投で1点差に。なおも、一死一、二塁とピンチが続いた。次打者が一ゴロ。二塁ベースカバーに入った遊撃手・山縣秀(4年・早大学院)は冷静だった。 「3-6-3(実際は投手が一塁ベースカバーのため1A)の動きしか見えなくて……。ただ(一塁ベースカバーに入るはずの)田和の足が1回、止まった。これは無理だ、と。視線はやらないですが、意識は三塁にあった」 先の先を読んでいたのである。 「一塁に転送して間に合わず、(その間に三進した二塁走者に)生還されることが一番、避けたかった。三塁で間に合わず、二死一、三塁でも良いと思っていました。(三塁の)小澤(小澤周平、3年・健大高崎高)がうまく捕球してくれました」
一塁走者を二塁封殺後、二塁ベースカバーに入った遊撃手・山縣は、三塁へと素早く転送。飛び出した走者がタッチアウトになり、併殺プレーでゲームセットとなった。 早大・小宮山悟監督は振り返った。 「3-6-3の取り損ねが一番、怖い。サードのほうが捕れるだろう、という判断だったんでしょう。ランナーは、ホームに還りたがる。裏を返せば、飛び出る。ホームへ還りたいという、心理を突いた。準備していないとできないプレー。あの状況で、機転の利くプレーだったと思います」
勝利をつかむ瞬時のジャッジ、頭脳的なプレーだった。山縣はプロ志望届を提出しているだけに、小宮山監督が課すハードルは高いものがある。指揮官は「プロでは、当たり前にできないといけないプレー」と平然と話した。 早大は1回戦を先勝。雌雄を決する直接対決はまさしく、球際の攻防が展開されている。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール