20年物のエアコンを使う親に、10万円の最新式の省エネエアコンをプレゼントすると贈与になりますか?
一方、図表2の例3のようにYがXから100万円、Zからも100万円の贈与を受けた場合には、合計額の200万円が基礎控除額110万円を超えるので、Yは贈与税の申告をして納税しなければなりません。
親への援助
ただし、今回のAさんのケースは、贈与税の課税対象にならない可能性があります。国税庁ホームページ(※)では、贈与税がかからない財産として「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」としています。 Aさんの両親は少ない年金を節約しながら生活しており、Aさんは今ある20年前の古いエアコンを買い替えてあげたいと考えているのです。昨今の夏の猛暑を考えればエアコンは生活必需品ですし、10万円のエアコンは決してぜいたく品でもありません。したがって、Aさんが扶養義務者として両親にエアコンをプレゼントしても、贈与税の課税対象にならない可能性が高いと思われます。
冷蔵庫もプレゼントしても贈与税はかからない?
親への援助が贈与税の対象にならない場合は、1年間に110万円までという非課税の基準は考えなくてもよくなります。ただし、課税されるか非課税なのかは個々のケースで異なり、最終的に税務署に判断をゆだねることになります。であれば、110万円の基礎控除額を超えない範囲でプレゼントをするほうが安心ではないでしょうか。 冷蔵庫も最新式のものは、省エネ性能が高くなっています。新しいものに買い替えることで、電気代も抑えられるので、ご両親も喜ばれるでしょう。ただし、Aさんご自身の家計や老後資金の準備も重要です。無理のない範囲で援助を考えましょう。 出典 (※)国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合 執筆者:蟹山淳子 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部