水原一平容疑者はなぜ窃盗や横領ではなく「銀行詐欺罪」で訴追されたのか 大谷翔平選手がお金を取り戻せる可能性は?【国際弁護士が解説】
ドジャース・大谷翔平選手の元通訳・水原一平容疑者(39)に関して新たな動きです。アメリカ連邦警察は水原容疑者を「銀行詐欺」の罪で訴追したと発表。銀行口座から盗み出したとされる金額は24億円にのぼるとしています。 番組に出演したアメリカ・カリフォルニア州で弁護士資格を持っている国際弁護士の村尾卓哉さんに、水原容疑者が窃盗や横領ではなく「銀行詐欺罪」の疑いで訴追された理由や大谷選手がお金を取り戻せる可能性などについて聞きました。
不正送金は24億円 水原一平容疑者を「銀行詐欺罪」で訴追
不正送金されたとされる金額は当初報じられていた6億8000万円をはるかに凌ぐ約24億円。アメリカ連邦検察の見立てによると「大谷選手はこの一連の事件の被害者と考えられる」ということです。 訴状によると、水原容疑者が違法賭博を行った数は2021年の12月から今年1月までの間に約1万9000回。平均賭け金は約196万円で、最大で2000万円以上賭けたこともあったといいます。 連邦検察の発表によると、大谷選手がエンゼルスへの移籍で渡米した2018年に水原容疑者が銀行口座の開設をサポートしたということです。その際に、エージェントや経理担当者らに対し「大谷選手が公開を拒否している」と伝え、アクセスすることができなかったといいます。
水原容疑者は2021年から大谷選手の口座で不正な送金を開始。銀行口座にひもづけられている大谷選手の連絡先を、水原容疑者の電話番号とメールアドレスに変更したといい、銀行との電話でも大谷選手になりすまして、ブックメーカーへの送金を許可するように指示したといいます。 これまで「(賭博で)一度も勝ったことがない」と説明していた水原容疑者ですが、連邦検察の発表によると負けた総額280億円に対し、勝った総額は218億円にのぼることが判明。勝ち金は全て水原容疑者の口座に振り込まれる仕組みになっていたといいます。
連邦検察は「大谷選手は被害者だと考えている」と強調
連邦検察は銀行口座の記録や電話記録など何千件もの調査した上で、「大谷選手が被害者だと考えている」という見立てを示しています。 大谷選手は連邦検察に全面的に協力、「彼のデバイス機器や個人情報へのアクセスも許可してくれた」といいます。そして、大谷選手が違法賭博について認識または関与していたことを示す証拠はないと判断したといいます。
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