水原一平容疑者はなぜ窃盗や横領ではなく「銀行詐欺罪」で訴追されたのか 大谷翔平選手がお金を取り戻せる可能性は?【国際弁護士が解説】
窃盗や横領でなく「銀行詐欺罪」で訴追された理由は
「銀行詐欺罪」で訴追された水原容疑者は、有罪となれば最長30年の禁錮刑または100万ドルの罰金などが科される可能性があるといいますが、なぜ「窃盗罪」や「横領罪」ではないのでしょうか。 村尾さんによると「連邦法の銀行詐欺罪は銀行の信用性・公正性を害することで成立する犯罪です。州法の窃盗や横領より重く、30年という禁錮刑が設定されています。理屈上は連邦で起訴しつつ、同じ罪の内容で州でも起訴することも可能ですが、窃盗や横領は最高でも禁錮3年ですから、基本的には銀行詐欺罪で終結するのでは」ということです。
水原容疑者の処罰は? 大谷選手がお金を取り戻すことはできる?
水原容疑者の処罰についてNYタイムズによると、司法取引を行う方向で交渉中ということで、水原容疑者が罪を認めたり情報提供するなどの捜査協力を行えば、減刑される可能性があります。 水原容疑者の処罰はどうなるのでしょうか。 村尾さんは「正直わからないところではありますが、今回被害がかなり大きいので、例えば2年とか3年とかで終わるような罪ではないかなと思っています。長期5年以上もあり得ます。ただ司法取引の内容次第で減刑されたり、上がったりということがあるのでは」と話します。 そしてもう一つ気になるのが、大谷選手がお金を取り戻すことができるのかについてです。水原容疑者の口座にはお金が残ってないということが予想されるので、胴元から回収することはできるのでしょうか。 村尾さんは「胴元がお金をわかりやすい場所に置いてると思いませんし、国外にお金を逃がしている可能性もあるので、なかなか現実的ではありません。法的にも請求できるのかという問題もあり、二重のハードルで難しいと思います」と話します。 日本時間のあす13日午前6時からは、初めての法廷が開かれ水原容疑者が出廷する予定です。どのようなやり取りがされるのか注目されます。
村尾卓哉 金融や行政訴訟などを扱う国際弁護士 NY州・カリフォルニア州の弁護士資格を持つ (『newsおかえり』2024年4月12日放送分より)
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