緊急事態宣言から2週間、専門家会議が会見(全文3)東京都の感染者数の伸びは鈍化
抗体検査の活用の方向性は?
毎日新聞:重ねてですいません。あともう1点、別の件で、抗体検査についてなんですけれども、アメリカのニューヨーク州が出口戦略で活用するなど、世界的に抗体検査を使う動きが広がっているんですけれども、一方で制度に疑問も出ています。国内で、先ほど尾身先生のお話にもありましたけれども、具体的な活用の方向性、併せて抗原の検査についても診断に用いることも含めてご検討されているのか、その辺をお願いいたします。 脇田:まず抗体検査についてお答えしますけども、日本でもやはり血清抗体検査を行って、わが国における感染状況がどのようなものであるかという調査を今、計画をされているという状況になります。ただ、一方で、やはり検査の精度の問題がございます。ですからそういった抗体検査の精度を担保した上で、そういった調査が行われるべきであるというふうに考えます。 それから抗原検査に関しましては、インフルエンザの迅速のイムノクロマトみたいなものをたぶんイメージされているんだと思いますけども、やはり咽頭拭い液等からウイルスのサンプルを採って、それでウイルスの抗原を測定するということになりますから、現在、その件に関しては開発が進められているという途中になりますけども、当然、核酸検査よりも感度は落ちるわけですよね。インフルエンザと違って、どうやら新型コロナウイルスの場合はウイルス量が低いということですので、当然、PCRよりも感度が低くなるということが想定されますので、それが、どの程度の感度が得られるかということによって、その使い方というのも変わってくるだろうというふうに思います。 だいたい診療に来られた患者さんがいて、迅速的にそれで抗原を測って陽性になる率がある程度あれば有用に使えると思うんですけども、その診断率が非常に低いということになると使い道が非常に難しくなるかなという、今、想像の段階です。それは、今プロトタイプができてきているような状況ですので、実際にそれがどの程度の感度でできるかということを検討してからということになると思います。 毎日新聞:確認ですが、そうすると抗体検査については、アメリカでやっているような出口戦略、抗体パスポートみたいな考え方というよりは、疫学調査で日本全国の感染状況を調べるというところに尽きるという理解でよろしいでしょうか。 脇田:今のところは感染状況の調査という意味で疫学調査を行うということになっております。 毎日新聞:ありがとうございます。 【書き起こし】緊急事態宣言から2週間、専門家会議が会見 全文4に続く