アウディのフラッグシップ電動SUV「SQ8 Sportback e-tron」に死角はあるか
北米、中国、中東そして日本などの市場で人気の高いハイエンドSUV。世界中の自動車メーカーがこのカテゴリーに多くのモデルを投入している。アウディは、それまで「Q7」で成功を収めてきたが、新たに「Q7」の上のクラスとして「Q8」を投入した。それが2019年のこと。フラッグシップとしての「Q8」はアウディの特徴である新技術の投入で他車をリードする作戦を選んだ。 【写真26枚】迫力のある印象に仕上がったアウディのフラッグシップ電動SUV「SQ8 Sportback e-tron」のディテールを写真でチェック!
電気モーターをフロントに1基、リアに2基搭載した「SQ8 Sportback e-tron」
メカニカルな部分では、センターデフタイプのクワトロシステムを導入。22個のセンサーやカメラの統合制御によるドライバーアシスタンスや緊急時にクルマを走行中のレーン内に自動停止させるエマージェンシーアシスト、パーキング時の縁石への接触を回避するカーブストーンアシストなどを搭載し、メカニカルリーダーを自負していた。 スタイリングは、ブリスターフェンダーが特徴で、4ドアクーペタイプのSportbackが設定された。その「Q8」にスポーツモデルのSモデルが加わり「SQ8」が登場。さらに電気モーターをフロントに1基、リアに2基搭載した「SQ8 Sportback e-tron」が加わった。 外観は標準モデルよりホイールアーチを拡大すると同時に、Sモデル専用デザインの前後バンパーやSUVスポークデザインの20インチアルミホイールを採用している。さらにフロントのバンパーリップ、シングルフレーム、ドアインサート、ディフューザー、ミラーハウジングはブラックアウトされ、迫力のある印象に仕上がっている。 フラッグシップモデルの車両本体価格は1492万円。試乗車はスタイリングパッケージ、チタングレー22インチアルミホイール、インテリアパッケージ、プライバシーガラスなどのオプションを装備していたので75万円がプラスされていた。 「SQ8 e-tron」の電気性能だが、総電力量は114kWhで、一充電あたりの走行距離は482km。CHAdeMO規格の150kW急速充電に対応している。モーターだがフロントモーターの出力は最高214PS、リアモーターは2基搭載されている。1基188PS、合計3基で590PSになるが、カタログ上の数値は503PSと表示されている。トルクも表示は973Nmとなっている。 駆動方法だが、通常走行時は2基のリアモーターのみで走行、素早い加速や滑りやすい路面に差し掛かると、フロントモーターがトルクを発生し、クワトロモードになる。また、カーブなどの旋回性能を向上させる電動トルクベクタリング機構を搭載している。 内装はブラック基調。Sロゴ付きのレザースポーツシートとアルミのデコラティングパネル、シフトレバーの外枠はアルミが輝いている。オーディオはBang&Olufsenの16スピーカー、3Dサウンドシステムを搭載している。 やや高めの着座位置でポジションを決めて、横長のシフトノブでDレンジを選択。シフトはR/N/D・S、SモードはDレンジからシフトレバーを下に動かして、選択する。ドライブセレクトは、コンフォート/オート/ダイナミック/インディビデュアル/オフロード/オートロード/エフィシェンシーの7モードが設定されている。 後編では、実際に走行してみた感触をチェックしていく。 ■ 関連情報 https://www.audi.co.jp/jp/web/ja/models/q8-e-tron/audi-sq8-sportback-e-tron.html 文/石川真禧照 撮影/萩原文博
@DIME編集部