2代目オリンピック女王は14歳の吉沢恋、銀メダルには赤間凛音とやはり強かった日本勢!「パリ2024オリンピック」スケートボード・女子ストリート種目
【トリック5本目】
約3年に及ぶパリオリンピックの集大成となるラストトライ。 アメリカのポエはアールトゥバンクでの「バックサイド540ノーズグラブ」にトライし会場を盛り上げたがミスし、合計222.34ptの5位で今大会を終えた。 ランでの出遅れが響き優勝は難しいポジションとなったライッサは暫定3位のチェンシーまで77.02ポイント差。このポイント差を詰めるべくハンドレールでの「キックフリップフロントサイドボードスライド」にプラン変更し見事一発でメイクすると、88.83ptと暫定3位に順位を伸ばした。 アメリカのペイジ・ハインは「スイッチフロントサイドスミスグラインド」をハンドレールでトライするもミスとなり6位で今大会を終えた。ペイジのスイッチトリックは今後非常に楽しみだ。 中山は「フロントサイドクルックドグラインド」をトランスファーハンドレールで今回のトリックでは一貫して挑戦したが決め切ることはできず7位で2回目のオリンピックを終えた。しかし、彼女の表情は非常に晴れやかでやり切った印象だと筆者には見えた。 今大会予選から波にのきれていない印象だったクロエは中山同様最後まで自分のトリックを貫き通し「フロントサイド50-50グラインドキックフリップアウト」を挑んだが決めきれず8位で初めてのオリンピック大会を後にした。 逆転で3位を狙うチェンシーは、ターゲットとなるライッサとは11.81ポイント差であるため98.80ptが必要となった最終トライ。徹底して「キックフリップバックサイド5-0グラインド」をハバレッジでトライしたが決めきれず。ただスケートボード歴約3年のオリンピック初挑戦は堂々の4位フィニッシュとなった。 ペイジ同様今後が非常に楽しみなライダーの一人であることは最近の国際大会、そしてこのパリオリンピックでも十分に証明してみせたのではないだろうか。 これで金メダル争いは日本勢の2人に絞られた。逆転での金メダルには87.20ptを出す必要がある。赤間が4トライ目から挑んでいるハンドレールでの「フロントサイドフィーブルグラインドフロントサイド180アウト」はそのスコアを出す十分な可能性を持っている。しかし逆転をかけた注目の最終トライは無情にも着地でミス、この瞬間吉沢の金メダルが確定となった。 4トライ目でのミスから精神的に少し追い込まれたか、涙を浮かべていた赤間。 最終トライでも立て直せないままの滑走になったか初めてのオリンピック挑戦は悔しい2位、銀メダルとなった。 ウイニングランとなった吉沢はラストもハンドレールで「ハリケーングラインド」をしっかり決め、89.46ptとさらにスコアを伸ばし、最終予選大会から勢いそのままにオリンピック2代目女王となり金メダルを獲得した。
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