世界レベルのプレーや試合のイベント化に注目 10月開幕バレーボールの「大同生命SV.LEAGUE」 ~山本隆弘氏インタビュー~
バレーボールの国内新リーグ「大同生命SV.LEAGUE((SVリーグ)」が10月11日に開幕する。これまで、国内最高峰のリーグは「Vリーグ」の名称で行われ、V1からV3までの3部制で行われてきた。しかし、今季からは、クラブの自立を促す目的で、クラブライセンス制度を導入。将来的なプロリーグ化を目指す方針の「SV.LEAGUE」と、従来の「Vリーグ」の2カテゴリーに再編される。男子は10チーム、女子は14チームがSV.LEAGUEに加盟した。新設されたSV.LEAGUEは何を目指し、どんな変革が行われるのか。元日本代表のエースで、SV.LEAGUEの理事を務める山本隆弘さんに話を聞いた。
――新名称で行われるSV.LEAGUEは、従来のV.LEAGUEから何が変わるのでしょうか
今季からSV.LEAGUEに加盟したチームは、自分たちのクラブで収益事業を行い、4億円以上の売上を出さなければなりません。従来は、オーナー企業が運営費を負担してくれるだけでもトップのリーグに加盟できましたが、今季からは、ホームゲームでお客さんに来ていただき、チケット収入やグッズ販売などを進めて収益を上げながら、地域密着化を進めていく方針を持ったクラブでなければSV.LEAGUEに加盟できないように、クラブライセンス制度が導入されました。
――クラブが「試合をして勝利を目指す」だけでなく「ホームタウンのお客さんを楽しませる」ことも目指すことが明確になるのですね。各クラブのカラーが反映された、ホームゲームが開催されるようになるのでしょうか
SV.LEAGUE加盟にあたり、多くのチームが、チーム名から企業名を外し、地域名を入れています。ホームゲームの開催は、地元の自治体と協力しながら、いろいろな取り組みが行われるようになると思います。特に、今までよりも、試合以外のエンターテインメントが多くなってくると思うので、一緒に盛り上がっていただけると、より楽しい空間になるのではないかと思っています。実際に何が行われるのかは、各クラブが用意していることなので、始まってみなければ分かりませんが、例えば歌手やお笑い芸人さんを呼んでイベントをやるとか、バスケットボールのBリーグさんとのコラボレーションで、同じアリーナでSVリーグとBリーグをセットにして行うとか。試合自体を最高のエンターテインメントにしなければいけないとは思いますが、イベントとして面白くなるかどうかは、試合の前後も大事です。現代のスポーツ観戦のニーズでは、試合だけを見に行くというファンは少なくなっています。「何か楽しそうなことをやっているな」という空間の中にバレーボールの試合がある、という感覚になれば良いと思っています。