〝甲子園のラガーさん〟がセンバツ出場校を最速予想! 健大高崎に「山本由伸」級の逸材
球児たちの“熱いドラマ”を見逃すな! 第97回選抜高校野球大会は2025年3月18日に甲子園球場で開幕し、30日までの13日間(休養日を含む)にわたって熱戦が繰り広げられる。出場校は1月24日の選考委員会で決定するが、ひと足早く「甲子園のラガーさん」こと善養寺隆一氏(58)が、自身の足で稼いだ情報をもとに一般出場枠から21世紀枠、神宮枠を含む全出場校を完全大予想。サクラ咲く32校は果たして――。 【写真】ラガーさんが山本由伸級と評価した投手 ――お久しぶりです。恒例の予想をよろしくお願いします ラガー 今回はこれまでとは力の入り具合が全然違うから。関東・東京大会はもちろん、北海道から九州大会まで足を運んで、できる限りこの目で試合を見てきたからね。 ――早速ですが、北海道1枠は全道Vの東海大札幌で不動。東北3枠は地区大会Vの聖光学院(福島)と準Vの青森山田が当確で、残り1枠は ラガー 準決勝で優勝校の聖光学院に1―7と大敗を喫した山形中央よりも青森山田に1―4と敗れた花巻東(岩手)に分がありそう。 ――関東・東京は地区大会Vの横浜(神奈川)が神宮大会で27年ぶり2度目の優勝を飾り1枠増の7枠。その横浜と準Vの健大高崎(群馬)、ベスト4の浦和実(埼玉)、千葉黎明に加え、東京は優勝した二松学舎大付が当確ですね ラガー ただ、俺の見立てでは関東と神宮大会覇者の横浜よりセンバツ連覇を目指す健大高崎の方がチーム力は上だと思う。特に最速158キロ右腕のエース・石垣元気(2年)はプロスカウトも熱視線は間違いなし。身長は178センチと大きくはないが、右手の握力は80キロもあるらしい。将来は山本由伸(ドジャース)級の逸材になりそう。 ――残り2枠は ラガー 都大会の決勝で早実が延長12回タイブレークの激闘を演じているだけに、東京にもう1枠を与えられる可能性が高い。最後の1枠は難解だけど、関東大会の準々決勝で横浜と接戦を繰り広げた東農大二(群馬)を推す。エース右腕の山田琉聖(2年)は巨人の西舘をほうふつとさせる本格派で、威力のある直球やキレのある変化球は甲子園のマウンドでも見たいね。 ――北信越2枠は北信越大会優勝の敦賀気比(福井)と準Vの日本航空石川が当確として、東海3枠は ラガー 地区大会優勝の大垣日大(岐阜)、準Vの常葉大菊川(静岡)で順当。残り1枠は4強入りの至学館(愛知)と岐阜第一の一騎打ちとなりそうだが、地域性を重視して至学館が一歩有利とみた。 ――近畿6枠は地区大会優勝の東洋大姫路(兵庫)、準優勝の智弁和歌山、ベスト4の天理(奈良)、市和歌山は確定的 ラガー その通り。残り2枠は強豪校の大阪桐蔭に勝利した滋賀学園、優勝した東洋大姫路に惜敗した大阪学院大が地域性という点でも有力。 ――石垣以外の注目選手は ラガー 東洋大姫路の1年秋からエースナンバーを背負う最速147キロ右腕の阪下漣(2年)だね。マウンド度胸が抜群で、とにかく制球力が安定している。阪神の才木のようなスケールの大きさを感じる。 ――中国は大会優勝の広島商と準優勝の米子松蔭(鳥取)、四国も優勝の明徳義塾(高知)、準優勝の高松商(香川)で両地区ともに決勝進出の2校で決まりですね ラガー 異論なし! 九州4枠も優勝の沖縄尚学、準Vのエナジック(沖縄)、ベスト4の柳ケ浦(大分)、西日本短大付(福岡)で順当とみた。 ――21世紀枠は ラガー 全国9地区から選ばれるのは2校。1校目は壱岐(長崎)で、部員全21人が島内の中学出身という少数精鋭。離島のハンディがありながら県大会では強豪の創成館や大崎を破って準優勝し、九州大会でも専大熊本玉名に勝利した実力もある。残り1校は久慈(岩手)を推す。県大会で3位に入り、東北大会の初戦では今年センバツ出場の学法石川(福島)に7―2で快勝。卒業生の過半数が国公立大への合格者を誇る県内屈指の進学校で「文武両道」の模範として文句なし。同校はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地になったことでも知られるし、甲子園で“じぇじぇじぇ旋風”を巻き起こしてほしいね。 ――全32校の正式発表は1月24日。楽しみだ ラガー どんな顔ぶれの高校になろうと、勝敗の鍵はタイブレークとなるのでは。延長10回無死一、二塁から実施されるが、やはりバントが大事になる。しっかり走者を送ることができれば1本で2点をもぎ取る可能性も出てくる。低反発バットの導入も相まって、長打に頼らないチームが強豪校にひと泡吹かせるシーンが多く見られそうだ。 ――高校野球に変化 ラガー 高野連は9回の試合を短縮する「7回制」導入の検討に入ったとも報じられているが、俺の知る高校野球がどんどん変わっていってしまう…。この時代の流れを楽しむしかない。 ☆ぜんようじ・りゅういち 1966年8月13日生まれ、東京都豊島区出身。小学校から野球を始め、中学時代は右翼手でレギュラーとして活躍。都立文京高校進学後、野球マニアの道に進む。高校卒業後、父が営む印刷会社に就職。99年から春のセンバツ、夏の選手権大会全試合を甲子園のネット裏最前列で観戦。黄色い帽子とラガーシャツから「甲子園のラガーさん」と呼ばれ親しまれる。168センチ、75キロ。左投げ左打ち。
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