パリ行きを決め笑顔の田中希実（撮影・吉澤敬太）

　「陸上・日本選手権」（２８日、デンカビッグスワンスタジアム） 　女子１５００メートル決勝が行われ、３分５９秒１９の日本記録保持者で２１年東京五輪女子８位入賞の田中希実（２４）＝ニューバランス＝が４分１秒４４で五輪参加標準を突破して優勝し、５０００メートルに続く２種目目のパリ五輪代表に内定した。大会５連覇は２０１０年の吉川美香以来２人目。１５００メートルで３分台をマークした東京五輪準決勝の３分５９秒１９と同決勝の３分５９秒９５の記録に迫った。 【写真】パリ行きを決め抱き合って喜ぶ田中希実 　以下は田中の一問一答。 　◇　　◇ 　－東京五輪以来の３分台が見えた。 　「東京五輪の時は（４分）２秒からいきなり（３分）５９までいくので間の感情を飛ばしていったのがあって、だから壁が分厚かったのかなと思うが、今日でちょっとは３分台までの壁は薄くなったかなというのはつかめた。でも壁が根強くあるのも感じていて、それは悔しかった。今日はペースメーカーの前に出るレースをしたかった。少しでも落ちたら察知して前へ出るくらいの圧倒的な力がないとタイムは出ない」 　－参加標準記録を突破してパリ五輪を決めた。 　「今まで世界大会で戦えた種目は、（突破の）期限を過ぎて参加標準を切って行った。５０００メートルも１５００メートルも。そこが今回、２つとも期限内に切れたし、堂々と乗り込めるのがアドバンテージ。でも外国のトップ選手は昨日の私の予選のレースの状態で、今日の私の決勝のタイムを出す。それを考えた時に自分はまだそこまででない」 　－パリまでの道は。 　「自分の中であっという間に感じるが、いろいろあったと思う」 　－８００メートル、１５００メートル、５０００メートルと３種目だったからこそ標準を切れた。 　「１５００メートルは距離が短めなのに長いと感じる不安がある。５０００メートルの３分の１より短いと思えたり、８００メートルに取り組んでいるからこそ今日も２分７秒とかで通過しても大丈夫だった。８００メートルの日本記録くらいの通過をしないと世界で通用しない」