ダッジが 1000ps超えの「ホーネットR/T FC1-Xラリーカー」を引っ提げ、超刺激的なナイトロクロスシリーズに参戦
北米で人気を博しているアクロバティックなイベント
ステランティス N.V.の傘下であるダッジは、2024-2025年のナイトロクロスシリーズの最高峰クラスのグループEクラスに参戦することを発表。マシンは新しいダッジ・ホーネットR/T FC1-Xラリーカーを投入する。 【写真はこちら】200フィート(約61m)のジャンプや接近戦を想定したシャーシが採用されている(全5枚) ニトロクロスシリーズは、フリースタイルモトクロスやモトクロス、スーパークロス、4輪で北米ラリー選手権でもチャンピオンにも輝いたトラビス・パストラーナが2020年に立ち上げたカテゴリーだ。 2006年に行われたエックスゲームズのラリーカー競技で、コリン・マクレーが横転しながらもほぼロスのない驚異的な走りを見せたが、その時の対戦相手で優勝を果たしたのがパストラーナである。 舗装路とダートコース、巨大なジャンプ、高速バトルが組み合わさったエキサイティングなレースは、今北米で盛り上がりを見せている。 4つのカテゴリーがあり、その中で最高峰クラスに位置付けられているのがグループEクラス。マシンはラリークロス界の名門オルスバーグMSEと、スペインの電動モビリティ企業であるQEVテクノロジーズが共同開発した「FC1-X」と呼ばれるフルエレクトリックSUVだ。 ワンメイクレースで各チームがFC1-Xを使用していたが、今年からダッジが参入。同シリーズ初となるメーカーとなった。 ダッジが送り込むのは、ダッジホーネット R/T FC1-X。完全電動の四輪駆動で、4基のアキシャルフラックスモーターを搭載し、1070馬力(800 kW)を発生する。FC1-Xはわずか1.4秒で0-60mph(約96km/h)まで加速する圧倒的なパワーを誇る。 もちろんパワーだけではなく、舗装路とダートが混在するトラックに対応するために200フィート(約61m)のジャンプや接近戦を想定したシャーシが設計されている。
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ホーネット R/T FC1-Xには、アルコンブレーキシステム、電動パワーステアリング、前後ダブルウィッシュボーンサスペンションが装備され、12インチのホイールトラベルと調整可能な設定により、ニトロクロスの困難な地形にも対応できるという。 ダッジはこのダッジホーネット R/T FC1-XをDreyer & Reinbold Racingに4台を供給。ドライバーラインナップも強力だ。 特に注目を集めているのがグループEクラス最年少の17歳リア・ブロックである。伝説のスタンドドライバーでありラリードライバーだった故・ケン・ブロックの血を引く彼女。エクストリームEへの参戦やウイリアムズF1の育成プログラムに入るなど、若くしてその才能を遺憾無く発揮している。 彼女のチームメイトには、2度のグループEチャンピオンであるロビン・ラーソンをはじめ、フレーザー・マコーネル、アンドレアス・バッケルドという実力派が揃う。 そして9月7日(土)、リッチモンド・レースウェイ開催された2024-25ニトロクロス開幕戦では、ラーソンが圧倒的なパフォーマンスで勝利を収め、で華々しいデビューを飾った。リア・ブロックは、初ドライブながら真っ赤なダッジ・ホーネットR/Tで2度の6位入賞を果たしている。 110年の歴史を持つダッジブランド。数多くのマッスルカーを生み出してきたダッジはニトロクロスに初めて参戦するメーカーとなり、ブランドとしても初の電動モータースポーツへの進出を果たした。 新たなステップを果たそうとしているダッジだが、時代が電動になろうとも強力でハイパフォーマンスな車を生み出すという根幹がブレることはない。 ■2024-2025シーズン ナイトロクロス イベントカレンダー ・バージニア州リッチモンドレースウェイ(9月7日-8日) ・ソルトレイクシティ近郊のユタモータースポーツキャンパス(10月5日-6日) ・フェニックス近郊のファイアバードモータースポーツパーク(11月15日-16日) ・マイアミマリンスタジアム(1月11日-12日) ・ラスベガスコース(3月1日-2日)
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